2001 Fiscal Year Annual Research Report
開放型法面保護工を施した切土法面の風化と維持管理に関する研究
Project/Area Number |
13660248
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小宮 康明 琉球大学, 農学部, 講師 (60101466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新城 俊也 琉球大学, 農学部, 教授 (40045109)
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Keywords | 泥岩 / 切土法面 / 法面保護工 / 維持管理 / 法面崩壊 / 風化 / 不連続面 / せん断抵抗 |
Research Abstract |
沖縄本島南部の新第三紀島尻層泥岩地帯において実施された昭和48年以降の農業農村整備事業によって造成された切土法面について断面形状、法面保護工の種類、造成後の経過年数、劣化状況、崩壊状況などを現地調査と資料調査によって調べた。また、2001年9月25日の降雨時に南風原町津嘉山地内で崩壊した施工後17年目の切土法面について土質調査と土質試験を実施し、崩壊の原因について検討した。得られた成果は次のとおりである。 1.直高20m以下の様々なタイプの切土法面が造成されているが、直高3〜6mのブロック積み工で保護された法面の占める割合が多く、最近では自然環境や景観重視から琉球石灰岩の石積み工や植生を施した法枠工が多く見られる。 2.工事関係者は南側斜面の切土工事中に崩壊が多いことを経験しており、切土後に崩壊した法面の向きも南東、南、南西方向に多い傾向が見られる。また、法面崩壊は同一法面で複数箇所発生する傾向も見られた。これらは法面崩壊に走向、断層、節理等の地質的要因が関与していることを示唆している。 3.過去5年間の法面崩壊の発生頻度はS48〜57年に施工された切土法面で多かった。これは法面崩壊が法面の劣化と関係していることを示唆している。 4.法面崩壊は日降雨量100mmを超えると発生しやすく、崩壊発生件数は連続降雨量が大きいほど増加する傾向が見られる。 5.南風原町内で発生した施工後17年目の切土法面の崩壊は、切土による潜在不連続面の緩みと雨水侵入の促進、法枠工からの風化作用によるせん断強度の減少、不連続面からの吸水によって発生した膨潤圧によるブロック積み擁壁の曲げ破壊とせん断破壊、大雨による不連続面の間隙水圧増加に伴うせん断抵抗の減少など、複数の現象が発生して崩壊に至ったと想定された。
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Research Products
(1 results)