石灰安定処理による建設汚泥の寒冷地における道路材料への有効利用に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13660249
• Research Institution: Hokkaido Institute of Technology
• Principal Investigator: 神谷 光彦 北海道工業大学, 工学部, 教授 (60001997)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川端 伸一郎 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (10224833)
• Keywords: 建設汚泥 / 石灰安定処理 / 養生方法 / 一軸圧縮強さ / 変形係数 / 含水比 / 凍上率

Research Abstract

石灰安定処理した土は凍上抑制の効果があることが知られており,軟弱な建設汚泥を非凍上性に改良することにより,付加価値の高い有効利用が可能である。
これまでの研究では,一般的に用いられている石灰添加後,直ちに締固めて養生する方法(締固め養生と称す)より,石灰を混合した後,そのまま養生し,所定の日数経過後に締固める方法(放置養生)の方が,強度の発現効果は劣るが凍上抑制にとっては有効であることが判っている。さらに,放置養生では石灰混合の養生日数が調整できるため,定置型プラントで処理することができる利点がある。
本年度の研究では,建設汚泥と類似の粒度分布を有する木節粘土を用いて養生方法の違いによる強度特性および凍上特性を検討し,以下の結果を得た。石灰は生石灰を用い,混合率は重量比で3,5,7%,初期含水比は最適含水比より湿潤側の40,45,50%である。
石灰安定処理土の一軸圧縮特性に関する試験結果は以下のとおりである。
1)石灰添加率の少ない場合は,養生方法の違いによる一軸圧縮強さの差はほとんどみられないが,添加率が増加するに従い一軸圧縮強さの差が大きくなる。また,放置養生では石灰添加率が増大しても,強度の増加の程度は少ないが,締固め養生では一軸圧縮強さは養生日数に比例して著しく増加する。
2)一軸圧縮強さと変形係数の関係は養生方法により異なる結果を得た。
3)初期含水比の違いでは,初期含水比が低いほど一軸圧縮強さは大きく,養生日数が長くなるほど,養生方法の違いが顕著となる。
4)凍上率は石灰添加率5%付近で最大となるが,さらに,添加率が増加すると減少する。また,養生日数が長くなると凍上速度が減少し,凍上抑制には養生日数の影響が大きい。