2003 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥前生籾から乾燥後玄米の被害粒混入率を判定する方法
Project/Area Number |
13660255
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 和弘 新潟大学, 農学部, 教授 (70188994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正肚 新潟大学, 農学部, 教授 (70293206)
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Keywords | 被害粒 / カメムシ / 生籾 / 玄米 / 画像処理 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
米の共同乾燥施設において、一部の農家がカメムシ被害の多い籾を持ち込むことにより、地域全体の玄米等級の低下を招く問題が指摘されている。しかし、現在市販されている穀粒判別機は出荷直前の乾燥玄米を対象としており、個々の農家の被害状況を調べるため大型乾燥機投入前に検査すべき乾燥前の生籾や玄米は対象とされていない。本研究では乾燥前生籾に対する被害粒検出装置の開発を前提として、画像処理によるカメムシ被害粒の非破壊検出法を検討した。 分光フィルタを通して波長別の画像が撮影可能なマルチスペクトルカメラを使用した。試料皿に50粒の籾をのせ、供試米の下方から面発光ライトにより照射し、透過光画像を取得した。さらに試料皿を固定したまま光源をコールドライトに切り替え、上方4ヶ所から均一に照射して反射光画像を取得した。玄米も籾の場合と同様に撮影した。取得した画像データは、予め本研究専用に作成した画像処理プログラムにより解析した。 籾の状態で平均輝度値のみを用いた判別率は、低水準であった。これは取得した画像の1粒中に、被害部分以外に輝度値の低い部分が出来てしまい、その影響で整粒の平均輝度値がさがったためと推測される。これに対し、検出画素数による判別や平均輝度値と検出画素数を組み合わせた場合、カメムシ被害粒の判別率は90%以上となった。玄米の状態では、反射光画像の平均輝度値のみを用いた場合を除き、整粒で90%以上、カメムシ被害粒に限っても80%前後の判別率を得た。反射光に関しては照射面側に被害部が無い場合、当然ながら判別率が低下してしまうことが原因であると考えられる。サンプルを水分別に分類して判別率を比較した結果、籾では高水分ほど総合判別率は高く、玄米では水分の影響を受けずに90%〜91%の高判別率であった。
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