2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全・高品質生産を目的とした、イオン濃度制御培養液管理システムの開発
Project/Area Number |
13660263
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Research Institution | MIYAZAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
位田 晴久 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60151768)
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Keywords | 養液栽培 / 培養液管理 / イオンバランス / イオン濃度制御 / IonAdjuster / 培養液廃液 |
Research Abstract |
養液栽培は数々のメリットがあるものの,培養液の管理技術が難しく,また現在市販されている自動養液管理装置は,養液中の全塩類の電気伝導度(EC,単位dS/m)のモニタリングに基づいた制御にすぎないため,栽培経過に伴いイオンバランスが狂ってきて生育障害が発生する.そのため,栽培期間中に何度も培養液の交換を行わざるを得なくなるが,培養液の廃棄が環境保全の観点から問題となっており,また養液栽培のコストダウンが切実となっている今日,解決を急がねばならぬ重要課題といえる.そこで培養液の各要素の濃度さえ明らかにすれば直ちに補充すべき肥料の種類と量を回答する"IonAdjuster"を開発し,それに基づくイオン濃度制御法を考案した.これを用いれば培養液のイオンバランスを栽培適正範囲に保つことができ,培養液の反復使用も可能である.本研究では,イオン濃度制御法を普及させるため,これまでの実証試験で明らかになった種々の問題点について検討し,改良を図った.従来の"IonAdjuster"による培養液補正の計算では特定の成分に誤差が集中する傾向が見られ,補正精度の向上が望まれた.その改善策として,投入最適解の各イオン濃度と目標値の差が最小となるよう計算式を組み込みこんだ.全成分和に対する各成分の比率に考慮した結果,特定の成分へ誤差が集中する危険性を回避することができた.また,リアルタイムの培養液制御には既存のEC制御法も組み合わせて用いる新制御法を開発し,キュウリで実証試験を行った結果,補正回数を減らすことができ,収量も増加した.これにより,培養液中イオンのモニタリングに必ずしも高価な分析機器を必要とせず,システムの簡素化とランニングコストの低減,さらに作業の軽減が可能となり,一般養液栽培農家への普及が期待できると考えられる.
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[Publications] 久保田豊: "養液イオン濃度調製プログラムを使用したキュウリの栽培"植物工場学会誌. 13・2. 104-109 (2001)
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[Publications] 位田晴久: "複合肥料を用いたイオン濃度制御によるキュウリの養液栽培"農業環境工学関連4学会2001年合同大会講演要旨. 237 (2001)
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[Publications] 森岡仁志: "イオン濃度制御法によるイチゴ養液栽培について"園芸学会九州支部研究集録. 9. 61 (2001)
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[Publications] 位田晴久: "イオン濃度制御法によるK濃度低減養液管理がトマトの生育と果実品質に及ぼす影響"園芸学会雑誌. 71・別2. 147 (2002)
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[Publications] 位田晴久: "培養液のイオン濃度管理システムについて"植物工場学会九州支部大会シンポジウム要旨. 19-24 (2002)
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[Publications] 霧村雅昭: "インテリジェントシステムにおける培養液中イオン濃度補正精度の向上を目的としたIonAdjusterの改良"農業環境工学関連5学会2003年合同大会講演要旨. (発表予定). (2003)