2002 Fiscal Year Annual Research Report
反芻家畜由来食品の共役リノール酸に関与する要因の基礎的研究
Project/Area Number |
13660269
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 清 宮崎大学, 農学部, 教授 (90040865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 助手 (30284821)
|
Keywords | 反芻家畜 / ルーメン / 給餌飼料 / 前駆脂肪酸 / リノール酸 / α-リノレン酸 / 9cis,11trans CLA生成経路 / 中間代謝脂肪酸 |
Research Abstract |
共役リノール酸(Conjugated linoleicacid : CLA)は、リノール酸の位置・幾何異性体の総称である。このCLAは、食品の中では反芻家畜由来食品に他食品に比べて多く含有され、また最近、機能性脂肪酸として最も注目されている食品成分の一つである。反芻家畜の第1胃(ルーメン)内の嫌気性細菌によって主としてリノール酸を基質として生成されるCLAは,CLA異性体の中でもその生理作用が注目される9cis,11transCLAである。 反芻家畜由来食品の総CLAの約80 90%は、9cis,11trans CLA 異性体が占めている。9cis,11trans CLA量は、給餌飼料、ルーメン内微生物叢、ルーメンpHなど多くの要因の影響を受ける。さきにわれわれは、給餌飼料脂質の構成脂肪酸がルーメン内での9cis,11trans CLA生成量に関係し、その前駆脂肪酸として、これまで明らかにされているリノール酸の他に、牧草の脂質に高濃度含有されるα-リノレン酸から9cis,11trans CLAの生成経路が存在する可能性を示唆した。 本研究では、ルーメン内微生物叢に培養したα-リノレン酸塩から3種類の未知の中間代謝脂肪酸を検出し、それぞれを9cis,11trans,15cis Octadecatrienoic acid,11trans,15cis Octadecadienoic acid,および9cis,11trans,15cis Octadecatrienoic acid(?)として同定した。そして、ルーメン内嫌気性細菌によってα-リノレン酸から9cis,11trans CLAが生成される生成経路において、9cis,11trans,15cis Octadecatrienoic acid がその中間代謝物となる可能性を示唆した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takenoyama, T., Kawahara, S., Murata, H., Yamauchi, K.: "Investigation of some preparation procedures of fatty acid methyl esters for capi;;ary gas-liquid chromatographic analysis of conjugated linoleic acid in"Animal Science Journal. 70 5. 336-342 (1999)
-
[Publications] 山内清, 河原聡, 竹之山慎一: "(総説)食肉の共役リノール酸(CLA)とCLAの生理作用"食肉の科学. 40・1. 49-56 (1999)
-
[Publications] Takenoyama, T.Kawahara, S., Muguruma, M., Murata, H., Yamauchi, K.: "Studies on 9cis, 11trans conjugated linoleic acid contents of meat and the dairy products."Animal Science Journal. 72 1. 63-71 (2001)
-
[Publications] Kawahara, S., Takenoyama, S.Nagato, C., Muguruma, M., Ito, T., Yamauc: "Evaluation of beef tallow as a natural soource of conjugated linoleic acid"Animal Science Journal. 73 6. 533-539 (2002)