2002 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯における島嶼型アグロフォレストリーシステムに関する研究
Project/Area Number |
13660271
|
Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
平川 守彦 琉球大学, 農学部, 助教授 (90175555)
|
Keywords | 島嶼型 / アグロフォレストリー / セントオーガスチングラス / 張芝 / 火入れ / 野草地 / ウコン / アヒル |
Research Abstract |
「亜熱帯における島嶼型アグロフォレストリーシステムに関する研究」の一環として下記の通りの成果を得た。本研究の実験現場は,今なお,大戦時の不発弾が多数存在するため機械による造成はひじょうに危険である。そのため蹄耕法(不耕起造成)により野草地を利用している。しかし,自生する野草は放牧牛にとって嗜好性が悪く,また,栄養価や再生力も劣るため改善する必要がある。 その改善策として,短草型牧草であるセントオーガスチングラス(St.Augustine grass)の導入を試みた。 方法は,(1)過放牧後(草高約5cm)(2)火入れ後(3)裸地(地際除草)の区画に30×40cmのセントオーガスチングラス張芝を植え,積算優占度,草量の推移を調査した。 その結果,セントオーガスチングラスの積算優占度は,火入れ区において常に70%を維持していたのに対して,裸地区・過放牧区においては低く,20%であった。乾物重は火入れ区,裸地区,過放牧区の順に多かった。火入れ区以外は雑草の占める割合が高かった。 以上のことから,火入れ後に張芝を植える方法が,雑草の侵入を防ぎ,セントオーガスチングラスの生育に良い効果をもたらすことがわかった。今後はセントオーガスチングラスの生育を長期間調査し,その牧草の導入が野草地の造成を可能にすることができるかどうかを調べる必要がある。また,アヒルと食肉鶏を利用したウコン畑の雑草防除を比較行動学的に調べた結果,両家禽ともウコンより雑草を好んで採食するため除草作業の一役を担うことがわかった。しかし,アヒルでは休息行動が多くみられ,踏み倒し行動による雑草防除,一方,食肉鶏では,探査行動が多く,つつきによる防除が認められた。
|
-
[Publications] 平山琢二, 平川守彦: "ヤギの成長に伴う大綱脂肪酸組成の変化"西日本畜産学会報. 45. 93-95 (2002)
-
[Publications] 平山琢二, 平川守彦: "豆腐粕の添加が野草給与ヤギの肥育成績ならびに筋肉脂肪酸組成に与える影響"熱帯農業. 46. 183-187 (2002)
-
[Publications] 平山琢二, 平川守彦: "野草給与ヤギにおける濃厚飼料給与割合が第一胃内プロトゾアの脂肪酸組成に与える影響"琉球大学農学部学術報告. 49. 213-217 (2002)