2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660275
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Research Institution | Agricultural, Food and Environmental Sciences Research Center of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
入江 正和 大阪府立農林技術センター, 食品・資源部, 主任研究員 (30333438)
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Keywords | 食肉 / 物性 / 筋内脂肪 / 脂肪交雑 / 画像解析 / 結合組織 |
Research Abstract |
1.筋内脂肪分布に対する蛍光画像解析法による評価 筋内脂肪を客観的に測定する方法として新しい画像解析法を検討した。特に従来の可視画像解析法およびロース全面測定法の欠点を改善する方法として蛍光画像解析法ならびにプロット法を考案した。牛肉及び豚肉に紫外線を照射した結果、筋内脂肪は蛍光を発し、良好な脂肪交雑画像を瞬時に得ることができ、その後の解析も容易であった。蛍光画像解析法は、可視画像で困難な淡い豚肉や肉色に濃淡差のある豚肉や牛肉、血液で汚染された筋内脂肪を有する肉でも適用可能であった。また、新たに考案したプロット法(一定領域のみを測定する方法)による筋内脂肪の評価値は全面法と強い相関を示し(r=0.98)、プロット法は全面法と同程度の信頼性があると考えられた。さらに、プロット法は脂肪交雑分布の一様性を数値化でき、全面法のようにトレースを必要とする場合がなく、迅速性に優れ、さらに撮像装置の小型化などにも寄与できるといういくつかのメリットがあった。以上から、筋内脂肪の評価における蛍光画像解析法とプロット法の有効性が示された。 2.食肉のテクスチャーに及ぼす筋内脂肪の役割(平成13〜14年度) 物性測定装置(インストロン)は新規備品であり、操作を習得し、脂肪組織で試用し、かたさを検討した。組織脂肪のかたさは圧縮加重試験における最大圧縮荷重で示され、テクスチュロメーターでは計測されない差も検出でき、硬いものと軟らかいものでは大きな開きがあることがわかった。次年度は筋内脂肪を有する種々の食肉を用いて物性の測定を行う予定である。 3.筋内脂肪に富む各種筋肉における結合組織成分の変異(平成13〜14年度) 結合組織成分であるコラーゲンの質的、量的変異はテクスチャーに関連する。テクスチャーの観点からコラーゲンを分析するには、可溶性と不溶性に分けて測定するのがよく、2種の分析法から脂肪交雑の多い和牛肉に適する方法を選択した。報告がほとんどなされていない黒毛和種牛肉の各筋肉部位におけるコラーゲン成分を現在測定中である。
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Research Products
(1 results)