2001 Fiscal Year Annual Research Report
スナネズミにおける妊娠黄体のプロジェステロン産生に関する研究
Project/Area Number |
13660290
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
甲斐 藏 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90115543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 豊 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00246852)
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Keywords | スナネズミ / 黄体 / 卵巣除去 / プロジェステロン / 代償性ホルモン投与 / 組織培養 / 血中P4レベル |
Research Abstract |
卵巣除去実験 スナネズミ妊娠中期の血中P4量の低下から、妊娠中期および後半における妊娠維持に黄体の関与の小さいことが推察された。このことから妊娠中期以降の黄体機能を追究するために妊娠20日に卵巣除去手術およびP4の代償性投与を行い、妊娠継続および胎児への関与を調べた。その結果、卵巣を除去すると妊娠個体の体重は術後1日で有意に減少し、妊娠24日の剖検時まで回復することはなく、また全胎児の死亡が明らかとなった。除去個体にP4を毎日4mg皮下投与すると、剖検時の生存胎児の割合は偽手術対照群と同等となった。しかし、1mg投与群ではその割合は有意に低かった。4mgP4とともにE2を投与した群では、4mgP4投与群と比較すると生存胎児割合のわずかの減少と胎児重量の低下が認められ、他の齧歯類動物で報告されているような、E2の維持増強効果はみいだせなかった。 黄体組織培養実験 本研究室の研究結果から、スナネズミ妊娠期における血中P4濃度のパターンがラットやマウスと異なることが示されている。そこで妊娠期の黄体を培養し、その機能を追究することとした。黄体をin vitroで培養し、P4の放出パターンを調べる実験を行うため、培養システムを構築することから着手した。その後、妊娠前期(妊娠9日)と中・後期(妊娠18日)の卵巣から黄体を分離し、培養液へのP4の放出量を測定するため、現有のステロイドホルモン測定システムを用いた。その結果、これまでの報告と同様、血中P4濃度は妊娠9日のほうが妊娠18日より高いことが確認された。そして、妊娠9日黄体における24時間後の培養液へのP4放出量は、妊娠18日のものより多いことが明らかとなった。この結果から、今後は黄体細胞を単離し、培養することを試みることとした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 江藤忠洋, 田中雅美, 園田 豊, 甲斐 藏: "妊娠スナネズミのIn vitro培養黄体によるProgesterone放出量"日本畜産学会第99回大会講演要旨. 61 (2001)