2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工変異蛋白を用いたS.hyicus表皮剥脱毒素の毒素活性領域の解析
Project/Area Number |
13660307
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前原 信敏 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90072371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 久聡 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (40154083)
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Keywords | S.hyicus / 表皮剥脱毒素 / 人工変異蛋白 / 活性領域 |
Research Abstract |
S.hyicus表皮剥脱毒素B(SHETB)遺伝子組換えプラスミド(pSHETB-1)を基にsite-directed mutagenesisによりSHETBの87残基目のヒスチジンをアラニンに置換した変異蛋白(H87A)、135残基目のアスパラギン酸をアラニンに置換した変異蛋白(D135A)、209残基目のセリンをシステインに置換した変異蛋白(S209C)、227残基目のリジンをグルタミン酸に置換した変異蛋白(K227E)、180残基目のチロシンをフェニルアラニンに置換した変異蛋白(Y180F)をコードする遺伝子を組換えたプラスミドを構築し、大腸菌JM105株に形質転換した。 pSHETB-1形質転換JM105株および上記5種類の形質転換株をアンピシリン加LB broth中で毎分150回の振〓下で37℃、24時間培養後、培養菌液を3回凍結融解し、高速遠心(10,000×g,30分間)後の上清を無菌濾過した。濾液に硫酸アンモニウムを80%飽和度になるように加えて4℃、一晩塩析後、遠心(10,000×g,30分間)沈渣に少量の燐酸緩衝食塩液を加えて溶解し、同液で4℃、48時間透析して毒素蛋白液を調製した。 上述したように調製したSHETB、H87A、D135A、S209A、K227E、Y180Fを階段希釈後、NCTC2544細胞に接触して37℃、48時間培養したところ、SHETB、K227EおよびY180Fは1:160まで細胞の円形化が認められたが、H87A、D135AおよびS209Aでは1:5でも円形化が認められなかった。また、SHETB、K227EおよびY180Fを皮下接種した1日齢ニワトリひなでは3時間以内に表皮剥脱が見られたが、H87A、D135AおよびS209A接種例では表皮剥脱は生じなかった。 以上の結果より、SHETB蛋白中の87残基目のヒスチジン、135残基目のアスパラギン酸、209残基目のセリンが毒素活性に必須であり、これらのアミノ酸残基を含む領域が毒素活性発現に関与する領域であることが確かめられた。なお、これらの構造はセリンプロテアーゼのcatalytic triadと推定されるので、SHETBの活性本体はプロテアーゼ様作用と考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤久聡: "ブドウ球菌表皮剥脱毒素の構造と活性"獣医生化学. 38・1. 1-11 (2001)
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[Publications] Terauchi, R., Sato, H., Maehara, N.et al.: "Isolation of exfoliative toxin from Staphylococcus intermedius and its local toxicity in dogs"Veterinary Microbiology. (in print). (2003)
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[Publications] Terauchi, R., Sato, H., Maehara, N.et al.: "Cloning of the gene coding for Staphylococcus intermedius exfoliative toxin and its expression in Escherichia coli"Veterinary Microbiology. (in print). (2003)