2002 Fiscal Year Annual Research Report
クリプトスポリジウム原虫の迅速鑑別診断および予防に関する基礎研究
Project/Area Number |
13660322
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
笹井 和美 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70211935)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 誠 大阪女子学園短期大学, 食物学科, 助手
谷 浩行 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
|
Keywords | クリプトスポリジウム / 鶏型モノクローナル抗体 / 感染防御 / 迅速鑑別診断 |
Research Abstract |
【背景・目的】申請者らはEimeria acervulinaを抗原とした鶏型モノクローナル(mAb)を6種作製した。このうちmAb 6D-12-G10は、Cryptosporidium parvumおよびC. murisのスポロゾイトと交差反応を示した。今回、in vitroで培養したC. parvumのメロゾイトとこれら鶏型mAbとの交差反応性を調べ、さらに、mAbが虫体の宿主細胞侵入を抑制するかどうかについて検討した。 【材料・方法】ヒト由来株をSCIDマウスで継代したC. parvumの生鮮オーシストをヒト大腸癌由来のHCT-8細胞に感染させるin vitroの系で解析した。侵入抑制試験では、次亜塩素酸処理後に抗体液または培養メディウムに浮遊させたオーシストを、24時間培養したHCT-8細胞に接種した。37、5%CO2下で2時間感染させた後、培養メディウムで洗浄し、さらに22時間培養した。これを抗C. parvumウサギポリクローナル抗体で蛍光染色し、発育したトロフォゾイトとメロントの数を計数し、虫体数を対照群(培養メディウム浮遊オーシスト接種)と比較した。 【結果】mAb 6D-12-G10は、C. parvumのメロゾイトとも交差反応を示し、侵入抑制率(%)は75.4±4.0であつた。 【結論】抗Eimeria鶏型モノクローナル抗体6D-12-G10は、C. parvumの宿主細胞侵入に関わる抗原を認識している可能性が示唆された。
|