2003 Fiscal Year Annual Research Report
クリプトスポリジウム原虫の迅速鑑別診断および予防に関する基礎研究
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13660322
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
笹井 和美 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70211935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 誠 大阪女子学園短期大学, 食物学科, 助手 (00321076)
谷 浩行 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
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Keywords | Cryptosporidium / 鶏型モノクローナル抗体 / 鑑別診断 / 感染防御 |
Research Abstract |
クリプトスポリジウムの簡易鑑別診断法の開発を目指して、鶏型モノクローナル抗体の作製を試みた。野外において、クリプトスポリジウムと水源に生息する珪藻類が市販のクリプトスポリジウム検出用キットにて交差反応を示すことから、交差性が報告されている5種類の珪藻をニワトリに免疫し、珪藻に対して免疫寛容を誘導し、その後、クリプトスポリジウムのオーシストを免疫した。珪藻類に寛容状態でかつ、クリプトスポリジウムオーシストに反応を示すニワトリから定法に従い、脾臓を採取し、ニワトリミエローマ細胞と細胞融合をすることにより、鶏型モノクローナル抗体の作製を試みたが、シングルクローニングの段階で、ハイブリドーマは抗体産生を停止した。また、本学家畜病院にて、下痢症状を呈した飼い犬の糞便から、直接塗抹法によりGiardiaの栄養体が検出された。メトロニダゾールにて駆虫を試みたところ症状は回復し、投薬後6日目にはGiardiaも検出されなかった。糞便材料を詳細に検査したところCryptosporidiumのオーシストが見出され、本症例はGiardiaとCryptosporidiumとの混合感染例であることが判明した。Giardiaに対する駆虫効果とは対照的に、Cryptosporidiumのオーシストは投薬後も排出され、メトロニダゾールはCryptosporidium感染には効果がないものと推測された。また、Cryptosporidium分離株はPCR-RFLP法により、犬に特異的に検出されるC。canisと同定された。本症例は国内の飼い犬におけるCryptosporidiumの検出例としては2例目であり、Giardiaとの混合感染例では初めての報告である
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Constantinoiu C.C. et al.: "Analysis of cross-reactivity of five new chicken monoclonal antibodies which recognize the apical complex of Eimeria using confocal laser immunofluorescence assay."Veterinary Parasitology. 118(1-2). 29-35 (2003)
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[Publications] Matsubayashi M., et al.: "First record of Cryptosporidium infection in a racconn dog (Nyctereutes procyonoides viverrinus)."Veterinary Parasitology. (In press).
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[Publications] Constantinoiu C.C. et al.: "Characterization of stage-specific and cross-reactie antigens from Eimeria acervulina by chicken monoclonal antibodies."J.Vet.Med.Sci.. (In press).
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[Publications] Matsubayashi M., et al.: "飼い犬におけるGiardiaとCryptosporidiumの混合感染"日本獣医師会雑誌. (In press).