2001 Fiscal Year Annual Research Report
山羊の黄体発育時における血管内皮増殖因子の発現調節の解明と初期黄体退行法の検討
Project/Area Number |
13660324
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川手 憲俊 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (80221901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 尋通 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10155252)
澤田 勉 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60081600)
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Keywords | 山羊 / 黄体 / 黄体発育 / VEGF / PGI2 |
Research Abstract |
平成13年においては、山羊の黄体発育におけるVEGFおよびPG12の役割を解明する目的で、黄体発育過程におけるVEGFの受容体であるFlk-1およびFlt-1の遺伝子発現動態について検討した。 正常な発情周期を示すシバヤギから、排卵後0、4、8および14日目に各3頭ずつ黄体を採取した。VEGFの受容体とてしては、情報伝達を担うとされているFlk-1が知られている。一方、VEGFと結合はするが情報伝達を行わず、その作用を阻止するとされている受容体Flt-1も存在する。この両受容体のmRNA量をRNase Protection Assay法により測定した。その結果、Flk-1のmRNA量は0から4日目へと有意に増加し、その後も増加する傾向を示した。一方、Flt-1のmRNA量は、0日から8日目までは有意な変化はみられなかったが、8から14日目へと有意に増加した。 以上の成績から、山羊の黄体発育過程でVEGFの情報伝達を担うFlk-1の遺伝子発現は、その初期に増加するが、一方、VEGFの囮として働くFlt-1の遺伝子発現は黄体発育時には変化せず、開花期の後半に増加する結果が得られた。これらのことから、黄体発育でみられる血管新生亢進はVEGFの受容体であるFlk-1を介している可能性が示唆された。 以上の成績に加えて、本年度はPGI2やその前駆体の合成抑制剤であるNimesulideおよびPhenylbutazoneをシバヤギに全身性に投与し、黄体発育に及ぼす影響について検討した。しかし、黄体機能の指標である血中プロジェステロン濃度に影響はみられず、来年度はこれらの抑制剤および血管内皮増殖抑制剤の2-methoxyestradiolを黄体内に直接投与する方法を用いて、PGI2の黄体発育における役割について調べ、初期黄体を退行させ得る方法の開発の可能性について検討したい。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] N.Kawate, M.Akiyama, T.Suga, T.Inaba, H.Tamada, T.Sawada, J.Mori: "Change in concentrations of luteinizing hormone subunit messenger ribonucleic acids in the estrous cycle og beef Cattle."Animal Reproduction Science. 68. 13-21 (2001)