2002 Fiscal Year Annual Research Report
各種有害重金属による複合汚染の疫学(水禽類)とその遺伝的影響についての研究
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13660328
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
植田 富貴子 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 助教授 (00168634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本藤 良 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (20114639)
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Keywords | 有害重金属 / 汚染 / 野鳥 / 疫学 / 水禽類 / モニタリング / 多変量解析 / L. monocytogenes |
Research Abstract |
<疫学調査:野鳥の汚染状況についての実態調査および汚染推定のための解析方法の検討> 1)野鳥サンプルの追加と実態調査:本年度も新たに数十羽の野鳥を入手して常法に従って臓器を摘出し、サンプルとして追加保存(-20℃)するとともに、保存サンプルの一部を順次無機化(灰化)してICP法により23元素の含量を決定しデータベースに追加した。 2)単独元素による汚染(カドミウム(Cd)汚染):汚染推定のための解析方法の検討 2-1)野鳥Cd汚染についてこれまでに報告されている83文献をまとめた結果、汚染推定のための標準回帰直線(Cd standard regression line : CSRL)が作成された。 2-2)CSRLの有効性をイタイタイ病患者(文献)、実験動物での投与実験(文献)、ラットでの投与実験(本年度追加)により検証し、CSRLが汚染の推定に非常に有効であることが示唆された。 2-3)これまでに得ている野鳥サンプルでのCd含量をCSRLに当てはめて、実際のフィールドサンプルでもその有効性を明らかにしつつある(現在、進行中)。 3)成績の公表:上記の成績の一部を第134回日本獣医学会報告(2002.9.岐阜)し、総説としてAm. J. Epidemiol.(Review for the cadmium contamination in environment : New indicator for the environ-mental monitoring using wildlife)に投稿中である。またこれらについては、ホームページと各雑誌をリンクさせ、参照できるように準備中である。 <L. monocytogenesの染色体DNAおよび培養細胞に対する有害重金属元素の影響> 1)L. monocytogenes : Cd等の重金属元素の各濃度を含む培養液中で培養した菌から抽出した染色体DNA(13年度報告書参照)については、多型性を示すiap領域(407bp)の塩基配列を決定したが、対照との間で変異は認められなかった。そこで、培養細胞で同様の検討を続行している。 2)培養細胞:Vero細胞とCaco細胞を使用してこれに対するL. monocytogenesの侵入性を各血清型で比較した結果、Vero細胞がモデルとして有効であることおよび菌の侵入性に血清型が関連する可能性が示唆された(第回日本感染症学会報告2002.4:論文投稿中)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Mochizuki, R.Hondo, K.Kumon.R.sasaki, H.Matsuba, F.Ueda: "Gadomium contamination in wild birds as an indicator of environmental pollution"Environmental Monitoring and Assessment. 73. 229-235 (2002)
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[Publications] M.Mochizuki, R.Sasaki, Y.Yamashita, M.Akinaga, N.Anan, S.Sasaki, R.Hondo, F.Ueda: "Distribution of Molybdenum in Tissues of wild Ducks"Environmental Monitoring and Assessment. 77. 155-161 (2002)
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[Publications] M.Mochizuki, R.Hondo, F.Ueda: "SimuItaenous analysis for multiple heavy metals contaminated biological samples"Biological Trace Elements Research. 87. 212-223 (2002)
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[Publications] F.Ueda, M.Sugamata, M.Aota, M.Mochizuki, F.Yamada, R.Hondo: "Swift and definite serotyping for isolated L monocytogenes strains"Microbiologica. 25. 165-171 (2002)
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[Publications] 山田文也, 植田富貴子, 望月眞理子, 生嶋昌子, 河橋幸恵, 小笠原邦敏, 本藤良: "Listeria monocytogenesの非貧食性細胞侵入能に関する基礎的研究"感染症学雑誌. 76(臨時増刊号). 137 (2002)