2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種有害重金属による複合汚染の疫学(水禽類)とその遺伝的影響についての研究
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13660328
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Research Institution | Nippon Veterinary and Animal Science University |
Principal Investigator |
植田 富貴子 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 助教授 (00168634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本藤 良 日本獣医畜産大学, 獣医学部, 教授 (20114639)
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Keywords | 重金属類 / 野鳥 / 水禽類 / 環境 / モニタリング / 遺伝 / L.monocytogenes / 染色体DNA |
Research Abstract |
疫学調査の結果:野鳥74羽;淡水ガモ58羽と海ガモ16羽の肝臓と腎臓中のCr、Mo、Ti、Tl、Cd、V、Cuについての含量分布を検討した。この結果、Cuを除く元素では、含量が検出限界以下(ND)から数十μg/g乾燥重量、種によっては100μg/g乾燥重量を超える広い範囲に分布していた。CuではNDの値は得られなかったが、他の元素と同様にその元素含量の分布は広く、特に肝臓では100μg/g乾燥重量を超える個体が多数存在していた。また、平均値と中央値では、ヒドリガモの腎臓におけるTl、カルガモの腎臓におけるTiおよびカルガモの肝臓におけるVなど、野鳥および元素の種類によっては、平均値と中央値が大きく異なる場合が観察された。これらの野鳥は、特記すべき特別な汚染がなかったものであるが、野生動物を調査対象とした場合には正確な食性や年齢を査定することが困難であり、個体の汚染状況、棲息地とその場所の汚染状況等の把握も困難なことが多い。そこで、これまでに報告の多いCdを対照とした非汚染対照の作成を試み、動物間での比較方法を外れ値がある場合も含めて検討した。 Cd非汚染対照としての指標作成と野鳥における汚染状況:最初に、特別なCd汚染が記載されていない野生動物の過去の文献から、腎臓と肝臓中のCd含量(83data)を抜き出して、非汚染対照としてのCd標準回帰直線(CSRL ; Cd standard regression line)を作成した。次に、このCSRLの有効性を正常なヒトとイタイイタイ病患者でのCd負荷との関係、およびCdを負荷された実験動物の臓器中Cd含量との関係から検証した。これらの成績から得られたCSRLを非汚染の基準として用い、Cd汚染の判定指標としてその有効性を示す結果が得られた。また、CSRLを用いて検討した場合には、上記の疫学調査で得られた野鳥の中には、汚染個体が含まれている可能性が示唆された。 各種有害重金属による遺伝的影響:大腸菌(K-12株)とL.monocytogenes(L.m ; L98-82B1株)の染色体DNAに対する、Na_3VO_4、CdCl_2およびSnCl_2の影響を検討した。この結果、作用する重金属により異なる変異部が局在する可能性、環境中にこれらの元素が存在した場合には短時間で変異が起こり得る可能性が示された。これらの成績は、ゲノム構造の解析による菌の異同の判断、分離菌株間の病原性などの解析を進める際に主要な問題点となると考えられるため、現在、さらに検討を進めている。 まとめ:これらを公表するために、現在、以上の成績をまとめて製本中である。
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Research Products
(3 results)