2001 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインチロシンホスファターゼによるプロラクチンシグナリングの制御機構の解明
Project/Area Number |
13660340
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 直人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40242846)
|
Keywords | プロテインチロシンホスファターゼ / PTP1B / STAT5 / プロラクチンシグナリング |
Research Abstract |
これまでの研究により、PTP1BがSTAT5a/bを特異基質としプロラクチン刺激を受けてリン酸化されたSTAT5a/bを細胞質内で効率よく脱リン酸化する事を見いだしている。これとは別にPTP1Bはインスリンレセプターをも脱リン酸化し、活性中心の他にN末端領域が必須であることが他の研究グループにより報告されている。そこで本研究課題において、PTP1BのN末端から30(PTP1BΔN30),155(PTP1BΔN150)アミノ酸残基を欠失したミュータントをPCR法により作成し、そのN末端にHAエピトープタグを付加した。これらコンストラクトをCOS7細胞に導入してその発現をHAに対する抗体を用いたウエスタンブロット法により解析したところ、予想に反して野生型に比して極端に発現量が低くなることが判明し、このN末端領域が何らかの作用によりPTP1Bの細胞内での安定性に深く寄与することが示唆された。現在site-directed mutagenesisによるアミノ酸残基置換型ミュータントの構築を進めている。またPTP1BによるSTAT5a/bの脱リン酸化メカニズムをさらに詳細に調べるために、PTP1Bと同様にSTAT5aのC末端から80アミノ酸残基をPCR法により欠失させたミュータント(STAT5aΔC80)を構築し、プロラクチン刺激後のチロシンリン酸化レベルを調べた。このミュータントは、野生型と同程度の発現レベルを示し、野生型に比べプロラクチン刺激後のチロシンリン酸化が長時間にわたって持続することを見いだしたが、PTP1Bによる脱リン酸化は野生型と同程度受けることが明らかとなった。
|