2001 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロームCをモデルとしたタンパク質安定化機構の解明
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13660341
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三本木 至宏 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10222027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 育男 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60191912)
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Keywords | タンパク質 / チトクロームc / 安定性 |
Research Abstract |
(1)アミノ酸置換によるチトクロームcの熱安定性の改変 申請者らは高度好熱菌Hydrogenobacter thermophilusから120℃に加熱してもその構造を維持している安定性の高いチトクロームc(HTc-552)を発見した。また、HTc-552と主鎖の構造はほとんど変わらないが安定性が低い常温菌Pseudomanas aeruginosa由来のチトクロームc(PAc-551)について、その構造解析・遺伝子発現にも成功している。本研究では、HTc-552の高い安定性がどのアミノ酸残基に依存しているのかを立体構造解析と変異導入実験によって明らかにした。HTc-552のアミノ酸配列をモデルとしてPAc-551に変異を導入したところ、3つの部位にある合計5残基が熱安定性に大きく寄与していることを見出した。すなわち、PAc-551にこれらの変異を同時に導入すると、その安定性がHTc-552と同じくらいまでに上昇した。 (2)アミノ酸置換による物理化学的性質の変化 上記の変異部分がどのようにタンパク質全体の安定性に寄与するのかを調べるために、単独の変異体を構築し、その安定性を示差熱量計で計測した。その結果、3ヶ所の各変異は加成的に全体の安定性に寄与することが明らかになった。さらに、変異タンパク質の熱力学的な解析から、各変異による安定性のパラメータを求めたところ、静電的相互作用とエンタルピーの寄与が大きいことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)