2001 Fiscal Year Annual Research Report
GFPマウスを用いた精子形成障害評価法の開発と生殖障害のメカニズムの解析
Project/Area Number |
13670005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小宮山 政敏 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70175339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 直二 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00188822)
森 千里 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90174375)
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Keywords | GFPマウス / 精子形成 / 内分泌撹乱物質 / 精巣 / 精巣上体 / 細胞移植 / ホルモン受容体 / エストロゲン |
Research Abstract |
化学物質(内分泌撹乱物質)の精子形成に対する毒性が生殖細胞に現れるのか、あるいは生殖細胞を支持する体細胞に現れるのかを判定するため、新生仔期にジエチルスチルベストロール(DES)を投与したGFPマウスの生殖細胞をドナーとして、Busulfan処理により生殖細胞を枯渇させたC57BL/6マウスの精細管内に移植し、精子形成が行われるか否かを調べている。移植に先立ち、DESの用量(0.05、0.5、5μg/匹)と精子形成障害の程度の関係を調べた。その結果0.05μg/匹ではあまり影響が検出されなかったが、0.5μg/匹で体重および精巣重量の減少ならびに精子形成異常が現れ始め、5μg/匹で確実に精子形成障害の起こることが確認された。そこで移植実験におけるDESの投与量は5μg/匹とした。現在、移植作業を終了し、経過観察の段階である。精子形成状況の評価は移植後10週以降に行う予定である。 内分泌撹乱物質による生殖障害のメカニズムを探るため、新生仔期DES曝露がマウス精巣上体に及ぼす影響について検討している。頭部におけるアンドロゲン受容体蛋白の発現は2週齢では対照群と差が無かったが、4週齢ではDES曝露群で強く、その後再び差が認められなくなった。エストロゲン受容体蛋白の発現は、2〜3週齢の対照群では頭部に限局するのに対しDES曝露群では精巣上体の全体に見られ、4週齢になると両者とも頭部の初部に限局するようになった。精巣上体管上皮細胞の形態変化は4週齢の体部において顕著に現れ、対照群では整然とした立方上皮として見られたが、DES曝露群では丈の高い偽多列上皮様の形態を示した。また、このような違いは12週齢になっても認められた。これらのことから、DES曝露によって起こる性ホルモン受容体の発現変化が、その後の不可逆的な形態変化と関係するのではないかと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小宮山 政敏: "胎児複合曝露の影響評価"医学のあゆみ. 201(印刷中). (2002)
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[Publications] Takano, Kaiya: "Alteration of androgen receptor immunoexpression by neonatal DES-treatment in mouse epididymis"Congenital Anomalies. 42(In press). (2002)
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[Publications] 森 千里: "内分泌撹乱物質の次世代や男性生殖器への影響とその評価に関する新しい試み"最新医学. 57. 236-242 (2002)
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[Publications] Shibayama, Takako: "Neonatal exposure to genistein reduces expression of estrogen receptor alpha and androgen receptor in testes of adult mice"Endocrine Journal. 48. 655-663 (2001)
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[Publications] Komiyama, Masatoshi: "Analysis of toxicogenomic response to endocrine disruptors in the mouse tesits. In: Toxicogenomics"Springer-Verlag(In press). (2002)