2002 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動ペースメーカーとしてのカハール介在細胞の細胞生物学的研究
Project/Area Number |
13670008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥橋 茂子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90112961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晋介 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30192230)
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Keywords | カハールの介在細胞 / ペースメーカー / 消化管 / カルシウム / 平滑筋 / 培養 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
1.単離培養系を用いて、カハールの介在細胞の細胞内カルシウム変動をカルシウムイメージング法により解析した。 昨年度確立した組織小片を用いて、カルシウムイメージングを行い、L型カルシウムチャンネルの阻害薬を添加する事で、平滑筋のカルシウム変動をブロックし、カハールの介在細胞が示す周期的な細胞内カルシウム変動を選択的に記録する事に成功した。またこの周期的なカルシウム変動が本細胞のリズム発生機構に密接に結びついている事、その変動は細胞外からの非選択的陽イオンチャンネルの一つTRP4を介して生じる可能性を示唆した。組織小片を用いた研究は有効である事が実証されたのでこの方法について特許を出願した(特願2002-64237)。 2.マウス胚性幹細胞(ES)から自動運動能を持つ器官としての腸管(様)構造を分化させた。 ESは様々な組織や細胞に分化する能力を持つが、器官とし機能する腸管様構造を形成させるうることを、世界で初めて明らかにした。その腸管様構造は自動運動能を有し、腸管上皮、結合組織、カハールの介在細胞や壁内神経を含む平滑筋層から構成されていた。腸管様構造の形成過程はマウス胚における腸管の発生過程と基本的に同じであったので、ESによる腸管様構造の形成は腸管の発生を研究する上でよいモデルとなる事がわかった。さらにin situ hybridization法やdifferential display法を用いて消化管形成に関わる因子や自動運動能発現に関わる因子の探索を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamada T.: "In vitro functional gut-like organ formation from mouse embryonic stem cells"Stem Cells. 20. 41-49 (2002)
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[Publications] Won K-J.: "Increased smooth muscle contractility of intestine in the genetic null of the endothelin ETB receptor : a rat model for long segment Hirschsprung's disease"Gut. 50. 355-360 (2002)
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[Publications] Watanabe Y.: "Attenuated nitrergic inhibitory neurotransmission to interstitial cells of Cajal in the lower esophageal sphincter with esophageal achalasia in children"Pediatr Int.. 44. 145-148 (2002)
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[Publications] Torihashi S.: "Calcium oscillation linked to pacemaking of interstitial cells of Cajal ; Requirement of calcium influx and localisation of TRP4 in caveolae"J.Biol.Chem.. 277. 19191-19197 (2002)
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[Publications] Nakayama S.: "Spontaneous rhythmicity in cultured cell clusters isolated from mouse small intestine"Jpn J.Phsysiol.. 52. 217-227 (2002)