2003 Fiscal Year Annual Research Report
核内蛋白質の輸送機能低下と細胞質内蓄積及び細胞生理機能の変化
Project/Area Number |
13670009
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西尾 康二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60252235)
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Keywords | 核内輸送 / S1-1蛋白質 / ヌクレオボディ / PML / 癌抑制遺伝子 / GFP融合蛋白 / 細胞質局在 |
Research Abstract |
今年度はp53蛋白質と連携して機能するヌクレオボディ形成蛋白質S1-1(rat S1-1p110:全長852アミノ酸、S1-1p130:全長929アミノ酸)及びPML(human PML4:全長633アミノ酸,PML1:全長560アミノ酸)について研究を行った。S1-1蛋白質はRNA結合モチーフを有する核内蛋白質として発見された(井上晃1996年)。しかし、その生物学的機能については未知のままであった。本研究において、S1-1p110及びp130が核内へ移行しヌクレオボディを形成することを明らかにした。15年度には、ヌクレオボディ形成蛋白質として重要機能を有するPML(promyelocytic leuikemia)蛋白質とのアライメント解析、相同機能ドメインの解析を行った。その結果、S1-1及びPMLは約20アミノ酸の配列からなるホモロジーの高いドメインを二っ持つことを明らかにした。それぞれをEGKEドメイン並びにZドメインと命名した。S1-1、PML4及びPML1のEGKE並びにZドメインを欠損させたコンストラクトを作成し、Cos7細胞に発現させた。その結果、EGKE及びZドメインの欠損によりS1-1及びPMLのヌクレオボディ形成が阻害された。またPML4-GFP融合蛋白質をCos7細胞に発現させたところ、PML4-GFPは細胞質に蓄積すること、そしてその細胞質局在にはC末74アミノ酸に存在するドメインが関与することを明らかにした。PML4-GFPはS1-1-RFPと相互作用することにより核内へ移行し、自身のヌクレオボディとS1-1とのキメラヌクレオボディを形成した。C末74アミノ酸を欠くPML1-GFPは自身のヌクレオボディを形成するが、S1-1-RFPとの相互作用が無くキメラヌクレオボディを形成しなかった。従ってPML4のC末に存在するドメインがS1-1との相互作用及び細胞質局在に働くことが示唆された。
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Research Products
(1 results)