2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片岡 勝子 広島大学, 医学部, 教授 (30034002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 隆士 広島大学, 医学部, 助手 (20325161)
洲崎 悦子 広島大学, 医学部, 講師 (10274052)
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Keywords | 細胞骨格 / 微小管 / 腸上皮細胞 / 上皮性培養細胞株 / 結合組織細胞 / α-tubulin / γ-tubulin / 免疫蛍光染色 |
Research Abstract |
まず、マウス腸上皮細胞における微小管の配列を、抗α-tubulin抗体を用いて免疫染色し、三次元観察した。多くの微小管は、細胞軸にほぼ平行に配列していた。しかし、部の微小管は核上部のゴルジ野、特に重なり合ったゴルジ層板で形成されたドームの内腔(ゴルジ空間)から放射しているように見えた。なお、上皮内のリンパ球や粘膜固有層の細胞では、微小管は核の近くのゴルジ空間にある細胞中心から放射していた。 次いで、微小管のマイナス端に結合するとされているγ-tubulinの免疫染色を試みた。用いた抗体は市販の抗ヒトγ-tubulin(38-53)モノクローン抗体T6557(Sigma)と酵母を抗原としたモノクローン抗体G9である。Western blot(マウス組織・細胞)では、両抗体ともにγ-tubulinに相当する48kDのタンパクを認識するとともに、やや上に微かなバンドが1本みられたが、ヒトやイヌの細胞では後者のバンドも明瞭であった。 免疫蛍光染色すると、T6557ではマウス小腸上皮細胞に反応は見られなかった。微小管安定化剤taxolを固定液に加えた試料の場合、G9では細胞側面、特に3細胞が結合している部に強い点状蛍光が見られた。しかしtaxolなしの試料では、この蛍光は見られなかった。上皮内リンパ球や粘膜固有層の細胞は、どちらの抗体でも、taxol使用の有無にかかわらず、細胞中心の微小管Organizing centerと考えられる部位に点状蛍光が認められた。 上皮性培養細胞株のMDCKII(イヌ腎臓由来)、Caco2(ヒト大腸癌由来)、IEC6(マウス小腸由来)の各細胞では、細胞中心と考えられる部位に1個から2個の点状蛍光が認められた。 以上のように、本年度は特に微小管に注目して研究を行い、生体内で分化した上皮性細胞では、非上皮性細胞や培養細胞とは違う微小管オーガナイズ機構があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kataoka, E.Suzaki, K.Komura: "The Golgi apparatus of goblet cells in the mouse descending colon: three-dimensional visualization using a confocal laser scanning microscope."Histochemistry and Cell Biology. 116・4. 329-335 (2001)
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[Publications] E.Suzaki, X.y.Jiang, K.Kataoka: "Direct-view 3D imaging of the Golgi apparatus : studies on the exocrine cells of the rodent stomach"Bioimages. 9・3-4. 131-135 (2001)
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[Publications] X.y.Jiang, E.Suzaki, K.Kataoka: "Immunofluorescence detection of gastric H^+/K^+-ATPase and its alterations as related to acid secretion"Histochemistry and Cell Biology. 117・1. 21-27 (2002)