2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
片岡 勝子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 育 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80346486)
洲崎 悦子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10274052)
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Keywords | 細胞極性 / 細胞骨格 / 細胞間結合 / 微小管 / カドヘリン / 閉鎖帯 / γ-チュブリン / MTOC |
Research Abstract |
成熟マウス十二指腸粘膜の微小管及び微小管形成中心(MTOC)を免疫蛍光染色にて観察した。結合組織や上皮内の自由細胞では、γ-tubulin陽性のMTOCから微小管が放射状に伸びていた。一方、吸収上皮細胞ではMTOCは見られず、大部分の微小管は細胞軸に平行に走行していた。このことは、上皮細胞において微小管は細胞頂部にマイナス端をもって細胞軸に平行に基底部に向うという従来からの説に一致する。しかしγ-tubulin陽性蛍光は核上部のゴルジ装置に一致して見られ、一部の微小管はこの部に端を持ったり、交叉したりしているように見えた。肝細胞においてゴルジ装置に関連した微小管形成の報告があり、また、腸上皮細胞の一部の微小管は細胞頂部側にマイナス端を向けていることが知られている。これらのことから腸上皮細胞においても微小管の一部はゴルジ装置に関連して形成されることが示唆された。 ヒト結腸癌由来培養細胞HT-29はバラバラの細胞が培養経過にしたがって集団となり、同時に極性を形成する。バラバラの細胞では、F-actinやE-cadherin蛍光は細胞膜に沿って全周性に見られた。γ-tubulin蛍光は細胞質の不定部位に1〜2点として見られたが、微小管は培養皿面に垂直に走行し、γ-tubulin蛍光から放射するものは目立たなかった。2細胞が接すると、F-actinやE-cadherin蛍光は接触面に強く、他の部位では弱くなった。細胞が集団を作って初めて閉鎖結合関連タンパクZO-1が細胞接触面の自由表面近くに現れ、γ-tubulin蛍光は自由表面直下に見られるようになった。微小管は細胞軸に平行に配列しており、細胞基底部にはstress fiberが目立った。すなわち、上皮細胞がバラバラである時期に、既に微小管は上皮特有の配列をしており、上皮細胞の極性形成に基本的な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(1 results)