2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670015
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
片岡 勝子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洲崎 悦子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10274052)
齋藤 育 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80346486)
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Keywords | 細胞極性 / 細胞骨格 / 細胞間結合 / 微小管 / MTOC / 上皮細胞 / HT-29 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
マウス十二指腸上皮における微小管形成中心(MTOC)の免疫蛍光及び免疫電顕的研究により、γ-tubulinに対する抗体G9は、上皮の3細胞間結合部位(細胞質側)に特に強く結合した。微小管の保存がよくない場合にはこの結合性は消失した。これまで3細胞間に特異的に発現している接着分子については報告がない。これらのことは、3細胞間に特異的に発現する接着分子が存在し、その細胞質側にγ-tubulin様分子がついていることを示唆している。そこでG9の認識している分子を明らかにする目的でプロテオーム解析を進めた結果、2003年にマウスにおいて新規c-DNAから同定された分子でNoxo 1(NADPH oxidase organizer 1)である可能性が示唆された。しかしNoxo 1と細胞間接着との関連性は、今のところ明らかではない。 一方、上皮細胞の極性形成における細胞骨格の役割を明らかにするため、ヒト結腸癌由来細胞株HT-29を用いて観察を行った。細胞を単離し、微小管脱重合剤を作用させて細胞極性を失わせた後に通常培養液を含む培養皿に撒くと、微小管は上皮細胞特有の細胞軸に沿った平行な配列を早期に示す。次いでcadherinによる細胞間結合や細胞基質間結合、細胞基底部のstress fiberが現れる。Bytyrateで上皮細胞極性を誘導すると、細胞頂部特異的糖タンパクMUC-1を表面にもつ細胞内腔・細胞間腔が出現し、微小管はこれらの腔から放射するように見える。閉鎖結合の発達とともに細胞間腔は細胞頂部になって単層上皮が完成し、微小管は細胞軸に沿った平行配列をとる。 以上の結果より、細胞骨格を構築している微小管は単に骨格であるだけではなく、関連タンパクは3細胞間結合にかかわり、細胞の極性形成に早期に関与する機能骨格であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)