2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラミニン機能阻害抗体の作製とそれらを用いた器官形成に関わるラミニンドメインの研究
Project/Area Number |
13670023
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野水 基義 北里大学, 大学院・地球環境科学, 助教授 (00311522)
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Keywords | ラミニン / ペプチド / ペプチド抗体 / 細胞接着 / 活性ペプチド / 唾液腺 / 器官形成 |
Research Abstract |
基底膜成分のラミニンα5鎖のC末端、Gドメインのアミノ酸配列に由来する細胞接着性ペプチドのうち、培養マウス唾液腺の器官形成を阻害する活性をもつ、A5G77配列(LVLFLNHGHFVA)に対する抗体作製を平成13年度に引続き試みた。keyhole limpet hemocyanin(KLH)をキャリアーとして用いて得られた抗血清(モルモットを免疫したもの17ロット、ウサギを免疫したもの2ロット)をえたが、ペプチドに対する特異性は認められたものの、いずれもタイターが低く、応用範囲が極めて限られた。そこで、実験計画に基づき、マルチメリック法による抗原作製を行うこととし、A5G77配列の最小活性単位であるA5G77f配列(LVLFLNHGH)のマルチメリック体を合成、ウサギに免疫し、抗血清R3を得た。ELlSA法により、R3のA5G77f配列とそのスクランブル配列A5G77fTそれぞれとの結合を比較したところ、R3がA5G77f配列に対して、100〜1000倍程度高いアフィニティーを有することが確認できた。培養マウス唾液腺の器官培養系でR3の効果を調査したが、無血清培養条件で10%添加しても、器官形成に関わる活性は検出できなかった。現在、R3より、A5G77f配列をエピトープとする免疫グロブリン分画のペプチドアフィニティーカラム法による精製を進行中で、器官形成に関わる活性、免疫組織化学への応用、等の観点から引き続き解析をすすめる予定である。
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[Publications] 門谷裕一: "上皮器官形成に関わるラミニンのドメイン"生化学. 73・10. 1221-1226 (2001)
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[Publications] K.Hayashi: "Inhibition of Hair Follicle Growth by a Laminin-1 G-Domain Peptide, RKRLQVQLSIRT, in an Organ Culture of lsolated Vibrissa Rudiment"The Journal of Investigative Dermatology. 118. 712-718 (2002)