2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジアミノフルオルセインジアセテートとアルデヒド基による内皮細胞内NOの固定検出
Project/Area Number |
13670029
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
杉本 啓治 日本医科大学, 医学部, 助教授 (20104002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武政 徹 筑波大学, 体育科学系, 講師 (50236501)
山下 和雄 日本医科大学, 医学部, 教授 (70022796)
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Keywords | 血管内皮細胞 / NO / DAF-2DA / 蛍光細胞化学 / NO合成酵素 |
Research Abstract |
既にアルドヒド系固定剤と一酸化窒素蛍光指示薬(DAF-2DA)を用いて、固定した細胞内に一酸化窒素(NO)を留め、蛍光顕微鏡によって観察できることを報告したが、実際に培養細胞や血管内皮細胞など組織構成細胞における微量のNOの動態を検出するにはより精密な条件が必要であることがわかった。これには実験条件下の動物に対する環境変化の安定化と固定細胞に発現する蛍光のバックグランドの徹底的抑制が重要であることが実験的に示され、これらを排除し血管内皮細胞に対する血液の流れ、酸化ストレス、高浸透圧ストレス等の影響下におけるNOの動態の解明にむけて研究を進めた。 蛍光バックグランドに関しては、HUVECの培養条件下で、無血清、燐酸緩衝系の培養液か良好な結果をもたらすことが分ったので、環境を一定させた箱の中に動物を置き、その中で前処理として心臓より上記培養液で全身潅流したのち、目的の動脈片をとり出し、われわれの方法を適用して、内皮細胞中のNOを強い蛍光として検出することができるようにした。これはDAF-2DAをin vitroの無血清下で投与したので、血液中のesteraseによるこの指示薬の分解が抑えられたためと考えられ、今後この条件で実験を進めることにした。また、DAF-2DAの安定度は15分以内であり、この間に薬剤等の適用が必要であることも分った。しかしながら、同時に行った実験と対照群との間に確信のもてる充分な蛍光強度の差が認めにくいのでさらに改善を意図した。その結果緩衝培養液をMCDBに変えること、固定液の余分なグルタルアルデヒドをよく洗浄・除去することにより、この問題は解消し、種々の実験条件下での応用が進められるようになった。 (研究代表者杉本啓治の死去と研究分担者山下和雄の定年退職により、次年度からは新しい研究組織を作り、新規に応募する予定である。)
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