2002 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞から心筋細胞への分化誘導と興奮-収縮連関機構の発現機序の検討
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13670037
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
川野 誠子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00177718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 一雄 東亜大学, 工学部, 助教授 (10299323)
市野瀬 志津子 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助手 (60014156)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 心筋細胞 / Caシグナル伝達 / リアノジン受容体 / IP3受容体 / plasma membrane Ca pump / Na-Ca exchanger / Na-K pump |
Research Abstract |
マウスES細胞(Cell line D3)をfeeder Cells上にLIF入りの培地で培養増殖後、hanging drop法を用いてをLIFを含まない培地で培養し、その後培養皿上で培養すると約14日後には多くのbeating cellsを認めることが出来、ES細胞から心筋への分化誘導を確立した。分化の各ステージに於ける細胞内Caシグナル伝達経路を解明するために、遺伝子解析、コンフォーカルレザー顕微鏡を用いたカルシウム蛍光測定、クールドCCDカメラを用いた細胞内Naの蛍光測定、パッチクランプ法による電気生理実験を行った。それらの結果より、未分化のマウスES細胞では、小胞体からのカルシウム放出はG-protein coupled receptorsの刺激により小胞体のIP3受容体を介してCaが放出される機構が確認された(IP3-induced Ca release : IICR)。この時期にはIP3受容体のタイプI, II, III全ての遺伝子発現が認められた。一方、リアノジン受容体と電位依存性Caチヤネルの機能は全く認められず、ES細胞においては未分化の時期にはCa-induced Ca release : CICR機構は機能していないことが判明した。細胞膜のCa流入経路としては容量性Ca流入経路が認められた。細胞膜のCaポンプ及びNa-Ca交換機構の両者は既に機能しており・細胞内Caのくみ出し機構として作動していた。また、Na-Kポンプは低濃度のウワバインによる抑制効果は無く、心筋タイプのポンプは機能的に発現していないことが判明した。これらの機能的変化を分化の過程でどのように推移するのかの検討を行った。IICRの機構は分化の全で認められ、心筋に分化後にも機能していた。CICR機構は分化の後半約7日後には確認された。この時期には電位依存性CaチャネルのLタイプ、Tタイプの両者が認められた。また、低濃度のウワバインによるNa-Kポンプ抑制も認められた。 これら、分化過程における細胞内Caシグナル伝達経路の知見は、未だ世界で発表されておらず、我々が初めて明らかにしたものである。しかし、本研究では分化の全てのステージでの詳細な検討は未だ不十分であり、今後引き続き研究を続ける必要があると考える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seiko Kawano et al.: "Ca^<2+> Oscillations regulated by Na^+-Ca^<2+> Exchanger and Plasma Membrane Ca^<2+> Pump Induce Fluctuations of Membrane Currents and Potentials in Human Mesenchymal Stem Cells"Cell Calcium. (in press). (2003)
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[Publications] Seiko Kawano et al.: "Characterization of Ca2+ signaling pathways in human mesenchymal stem cells"Cell Calcium. 32. 165-174 (2002)
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[Publications] Hirayama Y., Kuruma A., Hiraoka M., Kawano S.: "Ca-activated Cl current is enhanced by acidosis and contributes to the shortening of action potential duration in rabbit ventricular myocytes"Japanese Journal of Physiology. 52. 293-300 (2002)
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[Publications] Tagami M., Ichinose S., Yamagata K., Fujino, H., Shoji S., Hiraoka M., Kawano S: "Genetic and ultrastructural demonstration of strong reversibility in human mesenchymal stem cell"Cell and Tissue Research. (in press). (2003)
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[Publications] Hirayama Y., Kuruma A., Hiraoka M., Kawano S.: "Beat dependent alteration of Ca-activated Cl current during rapid stimulation in rabbit ventricular myocytes"Japanese Heart Journal. 42. 207-219 (2001)
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[Publications] 川野誠子: "心筋のクロライドチャネルと不整脈"臨床と研究. 78. 149-219 (2001)