2001 Fiscal Year Annual Research Report
T_1緩和時間MRI法を用いた脳室周囲器官群の水透過性の解析
Project/Area Number |
13670047
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
瀬尾 芳輝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90179317)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 政隆 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10104275)
鷹股 亮 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00264755)
|
Keywords | 脳室周囲器官群 / 脳弓下器官 / 終板器官 / 交連下器官 / 緩和試薬 / 縦緩和時間 / 水透過性 / MRI |
Research Abstract |
本研究は、脳室周囲器官群部位での血液脳関門・脳脊髄液脳関門の水透過性を、明らかにすることを目的として実施した。 まず、NMRプローブ(高周波検出用コイル)を、ラット脳測定用に最適化し、高感度化・高均一度化し、視床下部・下垂体に至るまで測定を可能とした。緩和試薬として、Mn^<2+>,Gd-DTPA, USPIOを検討し、脳室周囲器官群部位での水透過性の測定には、Gd-DTPAが適当であることが明らかとなった。正常のBBBを透過しないGd-DTPAを血管内に連続投与し、血管内の水の緩和時間を短縮させた。血管壁を介しての水の透過性が高ければ、水の交換により血管外組織の水T_1緩和時間は短縮される。この短縮をT_1強調画像法で検出することから始めた。脳弓下器官(SFO)が高信号に検出されたが、視床下部には優位な領域は検出されなかった。また、終板器管(OVLT)や交連下器官(SCO)は部位が小さく、血管や脳室が隣接するため部位の同定が困難であった。SFOについては、i)三次元血管造影(3D MRA)を行い、同部位に隣接した大きな動静脈が無いことを確認した。ii)長時間造影でも高信号領域が拡大しないこと、また、bolus injectionでの造影によりこの部位の信号強度の変化が血管内のGd-DTPAの濃度変化に時間遅れなく追随する事から、Gd-DTPAの血管外への漏出がないことを確認した。すなわち、SFOでは、血管壁を介した水の交換により、組織の水のT_1緩和時間が短縮しT_1強調画像により高信号に検出されていると結論した。水透過係数の決定にはT_1緩和時間の決定が必要である。表面コイルを用いる場合、RF強度が部位によって異なるために、困難な場合が多い。T_1測定パルス系列にAdiabatic pulseを導入することにより、高精度の測定を可能とした。また、上記の研究課題のひとつとして行われた「ラット脳室潅流モデルを用いた脳脊髄液潅流測定に関する研究」の成果は、Jpn.J.Physiol.に発表した。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Takamata A, Seo Y, Ogino T, Tanaka K, Fujiki N, Morita H, Murakami M.: "Effects of pCO_2 on the CSF turnover rate in rats monitored by Gd-DTPA enhanced T_1-weighted magnetic resonance imaging."Japanese Journal of Physiology. 51・5. 555-562 (2001)