2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670049
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
上嶋 繁 近畿大学, 医学部, 助教授 (30193791)
深尾 偉晴 近畿大学, 医学部, 助手 (70218874)
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Keywords | 創傷治癒モデル / カプセル / 血管新生 / フィブリン / 線溶系 / 線溶系因子欠損マウス / 血管内皮細胞 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
平成13年度の研究計画のうち、種々の線溶系因子欠損マウスの作製とその安定した供給体制の確立はほぼ達成した。すなわち、すでに作製されていたものも含め、線溶系因子であるu-PA、t-PA、PAl-1、u-PAR、plasminogen(Plg)、およびα2-plasmininhibitor(α2-Pl)をそれぞれ単独で欠損するマウス、およびこれらの線溶系因子を以下の組み合わせで重複して欠損するマウス(u-PA/t-PA、u-PA/u-PAR、α2-Pl/u-PA、α2-Pl/u-PAR、α2-Pl/PAl-1、α2-Pl/Plg)の作製とその飼育・維持に成功している。そこで、すでにわれわれが確立したマウスの創傷治癒モデルである背部皮下へのカプセルの移植法によってそれぞれのマウスに移植したカプセル内の血管新生の定量化を試みた。しかし、従来のカプセル(直径19mmのポリエチレンボール全球)では今回条件設定した10週齢マウスの大きさを考えるとかなり大きく、移植後飼育中に縫合が開裂するものが多くみられた。そこで、今回からカプセルは半球にして、底面はプラスチックなどの材質の円板で覆い、この部分にも細孔を開けたものを使用した。すなわち、底面を背部皮下に密着する状態で移植することにした。現在この半球カプセルの中空のものとフィブリンを包埋したものとを各マウスに移植して、カプセル内部、外部の組織を採取している。内部組織については血管内皮細胞に特異的な染色を施し血管新生の定量化を試みている。内部、外部組織の一部は肉芽形成状態を観察するためのHE染色用にホルマリン固定組織を作製している。また組織抽出液を作製してマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性(特に血管新生に関与するとされるMMP-2、-3、-7、-9など)のためのザイモグラフィーを準備中である。
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