2002 Fiscal Year Annual Research Report
サーカディアンリズム発振と時計遺伝子機能の組織特異性
Project/Area Number |
13670054
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20142713)
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Keywords | 時計遺伝子 / 視交叉上核 / 生物時計 / サーカディアンリズム / 転写因子 / GFP |
Research Abstract |
多くの細胞が時計遺伝子を発現しているにも関わらず、視交叉上核(SCN)のみが主時計として機能する時計遺伝子の組織特異性を、新規時計遺伝子を用いて検討した。 1.新規時計遺伝子DECの発見と機能解析:SCNにおける時計遺伝子発現検索の環として、軟骨細胞の分化に関与するbHLH転写因子DEC1と類似遺伝子DEC2の発現を検討した。その結果、DEC1,2共に、主観的明期に発現ピークをもつ明瞭な内因性のサーカデイアンリズムを示すこと、DEC1は光同調が起きる主観的暗期の光照射のみで発現が誘導されることが分かった。そこで、リズム発振の細胞内分子機構における役割をin vitro解析にて検討した。その結果、DEC1,DEC2共にCLOCK, BMAL1によるE-boxを介する転写誘導を、既に報告されているcore loopの抑制因子PER1,2,CRY1,2よりも強く抑制すること、その機序はE-boxへの競合的結合あるいはBMAL1蛋白への結合であることを明らかにした。以上の結果、従来のPer発現を巡るfeedback loopと連動するDec loopの存在が明らかとなり、生物時計のより精密な分子機構の解明に大きく前進した。 2.DEC1,DEC2の細胞内分布:3つの波長の異なる蛍光レポーターGFP, YFP, CFPとDEC1およびDEC2のfusion proteinを細胞内に強制発現させ、DEC1,DEC2の細胞内分布を検討した。その結果、DEC1,DEC2とも導入数時間後から蛋白合成が確認でき、合成後、直ちに核内に分布することが明らかとなった。その際、転写因子特有の核内の斑状に分布が確認された。DEC2では10%弱の細胞において、ゴルジ体および核周囲部にも分布することが明らかとなり、蛋白の転写後修飾などDEC1とは異なる蛋白機能が明らかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Nakamura, W: "Clock mutation lengthens the circadian period without damping rhythms in individual SCN neurons"Nature Neurosci.. 5. 399-400 (2002)
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[Publications] Ohta, H.: "Effects of nursing mothers on rPer and rPer2 circadian expressions in the neonatal rat suprachiasmatic nuclei vary with developmental stage"Eur. J. Neurosci.. 15. 1953-1960 (2002)
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[Publications] Honma, S.: "Dec1 and Dec2 are regulators of mammalian molecular clock"Nature. 419. 841-844 (2002)
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[Publications] Nakao, M.: "A phase dynamics model of human circadian rhythms"J. Biol. Rhythms. 17. 133-137 (2002)
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[Publications] Ohta, H.: "Periodic absence of nursing mothers phase-shifts circadian rhytms of clock genes in the suprachiasmatic nucleus of rat pups"Eur. J. Neurosci.. (in press). (2003)
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[Publications] 本間さと: "マルチ電極アレイを用いた視交叉上核のリズム発振機構解析"脳の科学. 25. 35-41 (2003)
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[Publications] 本間さと: "第5の時計遺伝子ファミリーDecと生物時計の多重連動フィードバックループ"実験医学. 21. 497-499 (2003)
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[Publications] Honma, S.: "Zeigebers, Entrainment and Masking of the Circadian System"Hokkaido Univ. Press, Sapporo. 299 (2001)