2002 Fiscal Year Annual Research Report
有酸素運動トレーニングとVEGF,機能性食品に関する研究
Project/Area Number |
13670055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
奥田 諭吉 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (60211132)
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Keywords | 有酸素運動 / VEGF / 機能性食品 / 糖尿病 / 慢性関節リウマチ / 生活習慣病 / 成長ホルモン / ケトン体代謝 |
Research Abstract |
我々ヒトを含む脊構動物は閉鎖血管系を持ち、各組織は実質細胞と血管系との密接な関係の上に成り立っている。血管系には、多くの興味深い生物学的な現象があるが、その中でも注目を集めているものの1つは"血管新生"である。正常な血管新生以外に、炎症、糖尿病性網膜症、固形腫瘍の増殖などに病的血管新生が認められ、痴患の進展に深く関与している。これまでに、生理的、あるいは病的血管新生にどのような因子群が関与するかについて多くの研究が行われた結果、血管内皮増殖因子(VEGF)などの重要なタンパク質因子が明らかにされてきた。これらは全て、血管内皮細胞膜上に受容体を持ち、それらは各々特異的な分子であるが、構造的にはチロシンキナーゼ型受容体ファミリーに属する。VEGFの血管内皮細胞増殖に関するシグナル伝達もまだ解析が始まった段階である。この血管新生を制御する機構の1つとしてVEGF(vascular endothelial growth factor)その受容体であるFlt-1およびKDR/Flk-1が重要な役割を果たしており、このことについて研究をした。有酸素運動時に運動器として重要である関節の病気である慢性関節リウマチ(RA)の病気の主座である滑膜において、病初期から著しい血管新生が認められ、新生血管がその後に続く慢性経過の基礎となるため、初期から抗血管新生効果のある治療を十分に行う必要がある。そして、関節軟骨の保護を図ることがその後の治療をよりよい状態へと導くものと考えられる。本研究にて我々は抗VEGF抗体を用いて実際にRAに治療効果があることを世界で初めて証明し論文発表した。また、有酸素運動において上昇する成長ホルモン(GH)の糖・ケトン体代謝への影響についても初めて証明し論文発表した。更に生活習慣病の一つとして重要である糖尿病のインスリンのシグナル機構についても研究し論文発表した。また、細胞内の脂肪酸が肥満関連遺伝子発現を脂肪細胞内で低下させることなども明らかにし、国際誌に発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Okuda Y, Kobayashi K: "Acute gliclazide administration enhances glucose and ketone body utilization in the perfused hind limb of normal and streptozotocin-diabetic rats"Life Sciences. 71. 647-654 (2002)
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[Publications] 横田 千津子, 奥田 諭吉: "本院人間ドック受診者の潜在的骨粗鬆症に関して"Vitamin K & Bone研究会記録集. 4. 97-99 (2002)
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[Publications] Iida K, Okuda Y: "Insulin inhibits apoptosis of macrophage cell line, THP-1 cells, via phosphatidylinositol-3-kinase-dependent pathway"Arterioscler Thromb Vac Biol.. 22. 380-386 (2002)
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[Publications] Arai T, Okuda Y: "Intracellular fatty acid downregulates ob gene expression in 3T3-L1 adipocytes"Biochemical and Biophysical Research Communications. 297(5). 1291-1296 (2002)
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[Publications] 奥田 諭吉: "Diabetes and sports(2) COMPLICATION-糖尿病と血管7(1)"(株)メディカルビュー社 松岡 光明. 12 (2002)