2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳内アンギオテンシンによる交感神経修飾作用のメカニズム
Project/Area Number |
13670059
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
三枝 岳志 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70215523)
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Keywords | アンギオテンシン / 血圧反射 / 延髄腹外側野 / 交感神経 / 血管運動ニューロン / 細胞外記録 / 家兎 / 麻酔 |
Research Abstract |
アンギオテンシンII(ANG II)を第四脳室内に投与すると,交感神経血圧反射が著明に増強する。吻側延髄腹外側野(RVLM)へのANG II投与により同様な変化が惹起されるため,この作用の発現にRVLMが重要な役割を演じている可能性がある。本研究では,ANG II脳室内投与による血圧反射増強作用の作用部位を同定し,また作用発現のメカニズムについてニューロンレベルで検討した。 1.作用部位の同定 (1)ANG II脳室内投与によって引き起こされる血圧上昇と交感神経活動の亢進は,両側RVLMのANG II受容体阻害によって有意に減弱したが,完全には消失しなかった。この結果より,base-lineの血圧および交感神経活動に対するANG IIの作用には,RVLMを含む複数の領域が関与していることが示された。 (2)ANG II脳室内投与によって引き起こされる交感神経血圧反射の増強作用は,両側RVLMのANG II受容体阻害によって完全に消失した。この結果より,血圧反射増強作用においては,RVLMのANG II受容体の活性化が必須であることが示された。 2.メカニズムの検討 (1)微小研磨器(本補助金にて購入)等を用いて,血圧変動下においてもRVLMの神経活動を長時間安定して記録可能なカーボンファイバー製記録電極を開発した。 (2)同電極を用いて,RVLMニューロンレベルでの血圧反射特性の記録,及び血圧反射特性に対するANG IIの作用を検討した。その結果,ANG IIの交感神経血圧反射特性の修飾作用は,RVLM血管運動ニューロンの入出力特性に対する作用によって説明可能であることが明らかとなった。
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