2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳内アンギオテンシンによる交感神経修飾作用のメカニズム
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13670059
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Research Institution | University of Yamanashi (Faculty of Medicine) |
Principal Investigator |
三枝 岳志 山梨大学, 医学部, 講師 (70215523)
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Keywords | アンギオテンシンII / 血圧反射 / 延髄腹外側野 / 交感神経系 / 細胞外記録法 / 家兎 / レーザー変位計 / 自動制御 |
Research Abstract |
1.延髄心血管運動ニューロン記録電極用自動追従システムの開発 前年度の研究においてニューロン活動記録用の浮動型複合電極を開発したが,今年度は,同電極を用いたユニット記録の安定性を更に高めることを目標として,新たに自動制御型の電極追従システムを開発した。予備実験の結果,家兎の延髄脳表は,呼吸周期に同期して約50μmの変位を示すと共に,幅100mmHgの人為的血圧変動に対して約400μmの変位を示すことが明らかとなった。そこで,この変位をレーザー変位計(空間分解能3μm,時間分解能8msec)にて検出し,この信号を元に電極位置の新たな設定点をリアルタイムで算出することとした。電極の制御は,油圧マニピュレータのシリンジをパルスモータにて直接駆動することによって実現した。本システムを用いて心血管運動ニューロンの細胞外記録を行った結果,血圧反射実験に必要な幅広い血圧領域において,安定した細胞外記録を実現することが可能となった。また,本システムによって,従来非常に困難とされていた同ニューロンのiv vivo細胞内記録を実現することも可能となった。 2.延髄心血管運動ニューロン血圧反射特性に対するアンギオテンシンIIの作用 フェニレフリンおよびニトログリセリン静脈内投与によって血圧を人為的に変動させ,その際に引き起こされる延髄腹外側野心血管運動ニューロン活動の応答を記録した。また,この応答に対するアンギオテンシンIIの作用を検討した。アンギオテンシンIIは、複合電極のマイクロピペットを通して電気泳動的に記録ニューロン周囲に投与した。その結果,アンギオテンシンIIは,血圧が非常に低下した際に引き起こされる心血管運動ニューロンの逆説的な抑制現象(hypotensive reversal現象)を有意に抑え,このような低血圧領域においても,血圧反射を有効に維持させる効果のあることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Geoffrey A.Head: "Angiotensin and baroreflex control of the circulation"Brazilian Journal of Medical and Biological Research. 35・9. 1047-1059 (2002)
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[Publications] Takeshi Saigusa: "The rostral ventrolateral medulla mediate sympathetic baroreflex responses to"Autonomic Neuroscience. (発表予定). (2003)