2001 Fiscal Year Annual Research Report
中枢内食塩負荷時のバゾプレッシンとオキシトシン産生ニューロンの相互作用の解明
Project/Area Number |
13670068
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
加藤 和男 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80284834)
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Keywords | Fos蛋白陽性細胞 / 高張食塩水 / バゾプレッシン産生ニューロン / オキシトシン産生ニューロン |
Research Abstract |
高調食塩水の中枢内投与時のバゾプレッシン(AVP)、或いはオキシトシン(OT)産生ニューロンの活性の検討:免疫組織化学的に、Fos陽性細胞とAVP、或いはOT産生ニューロンとの二重染色によって検討した。中枢内高調食塩水投与時に誘導される中枢内バゾプレッシン系の影響を、側脳室内へバゾプレッシンV_1レセプターアンタゴニストの前投与で中断すると、室傍核(PVN)では両ニューロンともにFos蛋白陽性細胞の割合が有意に増加したが、視索上核(SON)ではOTニューロンにおいてFos蛋白陽性細胞の割合が有意に減少した。同時に末梢血中のAVPやOTの濃度を測定し、vehicle投与群と比較すると、バゾプレッシンV_1レセプターアンタゴニストの前投与で末梢血中のOT濃度が有意に減少した。中枢内のバゾプレッシン系は、オキシトシン系等のinteractionが存在することが判明した。一方、中枢内高調食塩水投与時に誘導される中枢内オキシトシン系の影響を、側脳室内へオキシトシンレセプターアンタゴニストの前投与で中断した際の影響は、現在検討中である。 高調食塩水の中枢内投与時に見られる昇圧反応が、ニューロン活性に与える影響の検討:現在までの報告では、血圧の変化(昇圧や降圧)がPVNやSONのニューロン活性に影響を与えることが示されている。しかし、我々の実験系には浸透圧あるいはNaの影響によるものと、2次的な昇圧反応によるものが含まれていると考えるのが妥当である。そこで、研究計画には含めていなかったが、昇圧反応を薬理学的に減弱した状態で、各種の濃度の高調食塩水を中枢内に投与した際のニューロンの活性も検討項目に加えた。以前の結果から0.3M、0.67M、1.0Mの高調食塩水投与時の昇圧度は判明しているので、それを打ち消すように末梢循環へ血管拡張薬のハイドララジン(HDZ)投与量を調整した。現在、0.67Mの高調食塩水投与時の昇圧反応をHDZで減弱した際の脳弓下器官(SFO)、AV3V域の正中中心核(MnPO)と終板器官(OVLT)、PVNとSON、さらに最後野(AP)のニューロン活性を検討している。未確定な結果であるが、PVNに比べ SONは高調食塩水単独投与時と同じ反応を示すようであるが、PVNは予想に反して、逆に減弱しているようである。現時点では、PVNは浸透圧やNaの情報よりも、液性因子や血圧の影響を受けやすいことが判明した。引き続き検討している。
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Research Products
(1 results)