2002 Fiscal Year Annual Research Report
中枢内食塩負荷時のバゾプレッシンとオキシトシン産生ニューロンの相互作用の解明
Project/Area Number |
13670068
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
加藤 和男 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80284834)
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Keywords | Fos蛋白陽性細胞 / 高張食塩水 / バゾプレツシン産生ニューロン / オキシトシン産生ニューロン / 心不全ラットモデル |
Research Abstract |
高調食塩水の中枢内投与時に見られる昇圧反応が、ニューロン活性に与える影響の検討:血圧の変化(昇圧や降圧)がPVNやSONのニューロン活性に影響を与えることが報告されている。さらに、我々の実験系では浸透圧/Naの影響によるものと、2次的な昇圧反応によるものが含まれていると考えられる。そこで、研究計画には含めていなかったが、昇圧反応を降圧薬によって減弱した状態で、各濃度の高調食塩水を中枢力に投与した際のニューロンの活性も検討項目に加えた。我々の以前のデータから0.3M、0.67M、1.0Mの同調食塩水投与時の血圧の昇圧度は判明しているので、それを打ち消すように末梢循環へ血管拡張薬投与速度を調整した。現在、0.67Mの高調食塩水投与時の昇圧反応をハイドララジン(HDZ)、ニトロプルシッド(SNP)で減弱した際の脳弓下器官(SFO)、AV3V域の正中中心核(MnPO)と終板器官(OVLT)、PVNとSON、さらに最後野(AP)のニューロン活性を観察した。SONはPVNに比べ、高調食塩水単独投与時と同様な活性を示すようであった。一方、PVNにおいて予想では血圧の影響を少なくするとPVNのFosの発現が増加する(血圧はPVNのニューロンに抑制的に作用する報告が多い)と考えていたが、変化が乏しかった。これまでの我々の知見では、PVNのニューロンは0.67M投与まで浸透圧/Naに容量依存的に応答し、1.0M投与では逆に減弱するが、現時点では・血圧の影響以外にもニューロン活性の抑制には、他の要因が関与することが判明し、さらなる検討が必要と考えられた。 心不全ラットモデルにおける高調食塩水の中枢内投与時に見られるニューロン活性:正常ラット群との比較: ケタミンとキシラジン麻酔下(ペントバルビタール麻酔時よりも術中、術後致死率が低いことが判明)に気管内挿管、人口呼吸器管理下に左肋間を開胸し、心臓の冠動脈:左前下行枝起始部をナイロン糸で結紮した。術後6週間後に側脳室ガイドカニューラを同麻酔下に頭骸骨に固定し、更に1週間後に右大腿動静脈内へカニュレーンションの後、回復期をおいて実験に用いた。まず、安静状態で視床下部のニューロンの活性をFosを指標に検討した。SONでは、形態学的にパゾプレシンニューロンが優勢とされる腹側に多く見られるようであった。次に0.67Mの高張食塩水を側脳室内に投与し、AV3V域、SONとPVN、AP等のニューロン活性を正常群と比較した。Fosの発現において、両群間で明らかな差異ははっきりしなかった。さらに、中枢内のバゾプレッシン系、アンギオテンシン系の関与をみるため、それぞれの拮抗薬を前投与後に0.67Mの高張食塩水を投与し、Fos発現の変化を現在観察している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Chu C.-P.et al.: "Cardiovascular actions of central neuromedin U in conscious rats"Regul Pept. 105. 29-34 (2002)
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[Publications] Chu C.-P.et al.: "Enhanced effects of central angiotensin II on cardiovascular and drinking responses in inbred polydipsic (STR/N) mince"Brain Res. 962. 129-134 (2003)
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[Publications] Jun Q.-H.et al.: "Possible involvement of nitric oxide in the central salt-loading-induced cardiovascular responses in conscious rats"Brain Res. 963. 224-231 (2003)