2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット培養室傍核に於けるサーカディアンリズム及び給餌リズムの発現機構
Project/Area Number |
13670069
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
勝野 由美子 天使大学, 看護栄養学部, 助教授 (80177419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 拓郎 北海道大学, 医学部, 助手 (40256342)
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Keywords | サーカディアンリズム / 制限給餌 / 室傍核 / リズム発現 |
Research Abstract |
視床下部室傍核は、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)ニューロンやバゾプレッシン(AVP)ニューロンを含み、視床下部・下垂体・副腎皮質系の最上位中枢として、ストレス反応やサーカディアンリズムの神経性情報を体液性情報に変換する重要な組織である。視床下部・下垂体・副腎皮質系には明暗サイクルに同調するサーカディアンリズムと給餌サイクルに同調する給餌性リズムが発現するが、2つのリズム中枢は異なる。サーカディアンリズムの振動中枢は視床下部視交叉上核に存在する。一方、給餌性リズムの振動中枢は不明であるが、脳幹から上行し室傍核に分布するカテコールアミン作動性神経が重要であり、この神経系の活動を阻害すると給餌性リズムは消失する。これに関与する神経伝達物質はノルアドレナリン(NA)とニューロペプチドY(NPY)である。 本研究の目的は、1.室傍核を構成する個々のニューロンに内因性のサーカディアン振動機能があるか否か、2.サーカディアンおよび給餌性リズムの視床下部・下垂体・副腎皮質系での発現に振動共役が関与しているのか否か、3.振動共役に於ける神経ペプチドや神経伝達物質の役割は何か、を室傍核組織培養系を用いて明らかにすることにある。本年度は1.の目的を明らかにするために、室傍核ニューロン自発電気活動のサーカディアンリズムとCRHおよびAVP分泌を測定した。 視交叉上核から切り離された室傍核をデッシュ中に36個の電極を有するマルチ電極デッシュ上に室傍核を単層組織培養(潅流培養)し、複数の単一ニューロンから電気活動を同時にかつ数日間にわたって測定した。CRHおよびAVP分泌にはサーカディアンリズムは認められず、短周期のウルトラディアンリズムが支配的になった。電気活動も同様の結果であった。しかし、サンプル数が少ないため、来年度はサンプル数を増やし制限給餌を行ったラットから産まれた仔ラットを用いて目的の2.と3.についても研究する予定である。
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Research Products
(1 results)