2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの体位変換時の血圧調節反応に及ぼす加齢の影響に関する研究
Project/Area Number |
13670075
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
筒井 由香 産業医科大学, 医学部, 助手 (60236916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 文夫 産業医科大学, 産業保健部, 講師 (80269050)
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Keywords | ヒト / 血圧調節 / 加齢 / 血管伸展性 / 立位刺激 / 動脈圧反射 |
Research Abstract |
本研究では、立位を模した中心血液量減少時に加齢で低下した動脈圧反射機能が高齢者でどのように反応するか調べ、さらに加齢に伴う動脈圧反射感受性の低下と頚動脈の伸展性の低下との関連を調べる。 今年度の研究の目的は、60代の高齢者と20代の若年者を対象に、立位を模した中心血液量減少を下半身陰圧負荷により段階的に起こし(0mmHgから-10mmHgずつ3分毎に-60mmHgまで負荷を漸増)、このときの心拍の動脈圧反射機能をシークエンス法により評価して両グループを比較することであった。今年度の結果は次の通りである。 1)安静時の動脈圧(mmHg)の変化に対するRR間隔(ms)の変化は、若年者27.6土6.0ms・mmHg^<-1>に対して高齢者は7.6±2.2ms・mmHg^<-1>であった。 2)段階的に下半身陰圧負荷を漸増したとき、若年者では動脈圧反射機能が段階的に低下したが高齢者では低値のまま変化しなかった。 3)これら動脈圧反射機能の両グループ間の差は、下半身陰圧負荷を漸増するにつれ小さくなり-40mmHg以上では差が無くなった。 以上の結果から、高齢者ではシークエンス法で評価した動脈圧反射感受性は若年者に比べ低下しており、さらに若年者にみられる中心血液量減少時の圧反射の変化が高齢者ではみられないことが判明した。
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