2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答の適応現象に関する視床下部、大脳辺縁系の神経ペプチド類の関与
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13670076
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
永田 頌史 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (10108722)
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Keywords | ストレス反応 / 視床下部室傍核 / 視床下部-下垂体-副腎軸 / 内分泌 / 免疫細胞 / immediate early gene / 適応現象 / 新奇ストレス |
Research Abstract |
ラットに長時問拘東を行い、経時的(0〜16時問)にストレス応答を調べると、視床下部室傍核の神経細胞の活性化、HPAaxis、免疫系、胃潰瘍形成などのストレス反応に時間的差があることや、拘束中であるにもかかわらずACTHは8時間後には基礎値に戻るが、コルチコステロンは高いままであること、また、免疫細胞も一旦減少した後、前値に近いレベルまで回復することなど、適応現象にも差がみられることがわかった。 16時間拘束を行った後寒冷ストレスを負荷すると、寒冷ストレス単独の場合よりもACTHやコルチコステロンの分泌は減弱する。しかし、室傍核のc-fos mRNAやFos蛋白の発現には両群間で差を認めなかった。このことは、新奇ストレスに対して視床下部の神経細胞は最初に負荷されたストレスと同程度に活性化されるが、下垂体-副腎レベルは反応が抑制される系が働いていることを示唆している。 ラットは1時間/日の拘束を2週間続けると、ストレス負荷後のACTHやコルチコステロンの値は下がってくる。すなわち、適応あるいは馴化が起こる。しかし、拘束と同時に寒冷負荷を1日1時聞、2週間反復して与えると、ストレス負荷後のACTHやコルチコステロンの値は高くなる傾向がみられた。すなわち、ストレス反応の馴化がみられないことがわかった。このことは、ストレス反応やストレッサーに対する適応現象の発現もストレッサーの強さによって異なることを示唆している
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kurose, T., Ueta, Y., Nomura, M., Yamaguchi, K., Nagata, S.: "Nociceptive stimulation Increases NO synthase mRNA and vasopressin heteronuclear RNA in the rat paraventricular nucleus"Autonomic Neuroscience : Basic and Clinical. 88・1-2. 52-60 (2001)
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[Publications] Irie, M., Maeda, M., Nagata, S.: "Can conditioned histamine release occur under urethane anesthesia in guinea pigs?"Physiology & Behavior. 72. 567-573 (2001)
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[Publications] 入江正洋, 永田頌史: "ストレスと免疫"診断と治療. 89・5. 783-791 (2001)