2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能調節におけるコレシストキニン(CCK)-A,-B受容体の機能分担と遺伝子の発現 副題:自然発症CCK-A受容体欠損ラット、CCK-A,B受容体遺伝子ターゲティングマウスによる検討
Project/Area Number |
13670077
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
金井 節子 東京都老人総合研究所, 生体機能調節と加齢グループ, 研究助手 (90100122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 京子 東京都老人総合研究所, 生体機能調節と加齢グループ, グループリーダー (90166140)
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Keywords | CCK-A受容体欠損ラット / 胃排出速度 / 胃酸分泌 / CCK-A受容体ノックアウトマウス |
Research Abstract |
コレシストキニン(CCK)にはA, B二種の受容体があり、様々な組織に混在し、各々の役割を果たしている。本研究はAおよびB CCK受容体遺伝子ノックアウトマウス(KOマウス)を用いてこの二種の受容体の各々の役割分担を解明することを目的に行っている。13年度は主に消化器、特に胃での機能分担を検討した。14年度はそれに加え、胆石形成、および中枢神経系における機能分担の検討を行った。 1.胃酸分泌能 胃酸分泌は基礎分泌においてCCK-BおよびABダブル受容体KOマウスが野生型に比し有意の低下が見られた。 ヒスタミン刺激に対する分泌亢進の検討は13年度はCCK-A受容体KOマウスを中心に行ったが、14年度は他のグループについても検討を加えた。いずれもヒスタミン刺激により分泌が亢進していたが、高濃度ヒスタミン投与ではCCK-AおよびBとダブル受容体すべてのKOマウスに野生型と有意の差が認められた。 2.胃排出速度におけるCCK-A, B受容体の機能分担 13年度に引き続き、検討を加えた。CCK-8S(CCK-A受容体リガンド)の皮下注射により、野生型とB受容体KOマウスで、排出速度の遅延が認められた。またアトロピンではすべてのグループが濃度依存的に排出速度が抑制された。 3.胆石形成 通常飼料においてもCCK-A受容体KOマウスは加齢に伴い胆石形成が増加したが、蛋白と脂肪含有がわずかに高い繁殖飼料では摂取期間が長い程胆石形成が増加した。 4.中枢神経系におけるCCK-A、B受容体の機能分担 高架プラスメイズによる観察ではCCK-B受容体KOマウスの不安関連行動が増加していた。また、CCK-B受容体KOマウスは摂食量、代謝量が増加しており、エネルギー代謝回転が亢進していた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Miyasaka K, Ichikawa M, Ohta M, Kanai S, Yoshida Y, Masuda Funakoshi A, Miyasaka K: "Increased energy metabolism and energy turnover in mice lacking cholecystokinin-B receptor"J Nutr. 132. 739-741 (2002)
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[Publications] Sato N, Suzuki S, Kanai S, Ohta M, Funakoshi A, Miyasaka K: "Different effects of oral administration of synthetic trypsin inhibitor on the pancreas between cholecystokinin (CCK)-A receptor gene knockout mice and wild type mice"Jpn J Pharm. 89. 290-295 (2002)
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[Publications] Miyasaka K, Masuda M, Kanai S, Sato N, Kurosawa M: "Central orexin-A stimulates pancreatic exocrine secretion via vagus"Pancreas. 25. 400-404 (2002)
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[Publications] Miyasaka K, Kobayashi S, Ohta M, Kanai S, Yoshida Y, Nagata A, Matsui T, Noda T, Takiguchi: "Anxiety-related behaviors in cholecystokinin-A, B, and AB receptor gene knockout mice in the plus-maze"Neurosci Lett. 335. 115-118 (2002)
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[Publications] Pancreas. (In press).