2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋のリアノジン,ジヒドロピリジン両受容体間両方向性連絡の分子機構
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13670098
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
須田 憲男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80201581)
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Keywords | 興奮収縮連関 / カルシウムチャネル / 骨格筋 / 筋小胞体 / カルシウム放出 / リアノジン受容体 / カフェイン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、骨格筋細胞のCa^<2+>貯蔵庫である筋小胞体(SR)と電気興奮の場である細胞形質膜(T管膜)との間で交わされる両方向性連絡の特性とその分子機構の解明の一端として遂行された。 1)細胞形質膜のDHPRからSR膜のRyRへの順行性連絡:Ca^<2+>誘発性Ca^<2+>遊離(CICR)促進剤であるカフェインにより持続的にCa^<2+>放出を起こしている時に、電圧固定法により膜を0.5秒以上脱分極すると、引き続く再分極によりCa^<2+>放出が全面的に停止する(RISC ; PNAS 91,5725,1994)。脱分極パルス直後に初めてカフェインを投与してもCICRが起こらないことから、再分極時に確かにCICRが抑制されていることが示唆された。カフェインにより持続的なCa^<2+>放出を起こしている時に10-20Hzの電気刺激で強縮を起こすと、強縮刺激停止直後にCa^<2+>放出が強く抑制された。このことから、活動電位の頻発によってもCICRが抑制されることが示唆された。また、我々がこれまで用いてきたmyoball(培養筋管細胞をコルヒチン処理して細胞内骨格を破壊したもの)の構造を透過電顕で調べたところ、T管膜とSR膜との近接構造が多数観察された。従って、骨格筋型興奮収縮連関に必要な基本構造はmyoballで保持されていることが推察された。 2)SRから細胞形質膜への逆行性連絡:培養ラット骨格筋細胞において、SRのCa^<2+>取り込みを抑制しつつカフェインでCa^<2+>を放出させた後に活性化される細胞外からのCa^<2+>流入を示唆するデータを得た。しかし、これが容量性カルシウム流入かどうかに関しては電流測定などさらなる検討が必要と思われる。我々は最近、培養筋細胞において、細胞外pHの低下などで活性化される新しいCa^<2+>流入系を発見した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suda N: "A molecular mechanism underlying swift relaxation of tetanized muscles"Jpn J Physiol. 53. S194 (2003)
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[Publications] Suda N, Matsuba D: "Contractile properties of young mouse cardiac myocytes"Jpn J Physiol. (in press). (2004)