2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規構成型熱ショックタンパク質54の分子薬理学的機能解析と核外移行配列の単離同定
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13670099
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60146438)
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Keywords | heat shock cognate protein 54 / heat shock cognate protein 70 / 核外移行シグナル / 熱ショックタンパク質 / 分子シャペロン / 核内移行 / 核外移行 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
構成型熱ショックタンパク質Hsc54は、Hsc70のprotein bindingおよびvariable domainの一部(153アミノ酸)が欠失した新規アイソフォームである。我々は、Hsc54は主として細胞質のみに局在し、Hsc70とは異なる生理活性を持つことを既に明らかにした。Hsc54の細胞質内局在は、核内への移行ができないためかあるいは積極的に核外へ移行する機構が存在することによると考えられる。本研究では、Hsc54の細胞質内局在制御機構を明らかにするために多数のHsc70 deletion mutantを作製し、細胞内局在について詳細に解析した。その結果、Hsc54は、ロイシンリッチな核外移行シグナル(NES)を持つこと、および核内局在に必須な領域(20アミノ酸)を欠失することを明らかにした。さらにHsc54は、NES受容体阻害薬存在下では核内にも局在することから、核内へ移行できないのではなく、より速やかに核外移行がおこるために細胞質のみに局在することが示唆された。一方、核および細胞質の両者に存在するHsc70では、NESの変異およびNES受容体阻害薬による細胞内局在の変化は認められなかった。従ってHsc70の核-細胞質間移行制御機構は、Hsc54と異なることが示唆される。現在、Hsc54とHsc70の細胞内局在および生理機能の差異との関連性についてさらに検討を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujiko Tsukahara: "Molecular mechanism for nuclear export of human heat shock cognate protein 54 (Hsc54)"Jpn. J. Pharmacol. (in press). (2003)
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[Publications] Fujiko Tsukahara: "Regulation of nucleocytoplasmic shuttling and turnover of dioxin receptor (AhR) by nuclear heat shock protein 90"The Pharmacologist. 44 2. A177 (2002)
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[Publications] 多胡克哉: "NF-kB, AP-1およびp38MAPKの活性化に対するグルココルチコイドと熱ショックタンパク質90阻害薬の相互作用"東京女子医科大学総合研究所紀要. 22. 109 (2002)