2001 Fiscal Year Annual Research Report
抗不安薬、抗うつ薬の血糖調節およびストレス誘発高血糖に及ぼす作用とその機序の解析
Project/Area Number |
13670104
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉本 由美 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (50187671)
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Keywords | 抗不安薬 / 抗うつ薬 / 血糖 / セロトニン / ストレス / インスリン |
Research Abstract |
セロトニンは精神機能に重要な役割を果たしていることが明らかとなっており、うつ病、神経症などと深く関連している。現在、セロトニン作動性神経に作用する抗うつ薬や抗不安薬が臨床応用されており、それらの使用が増加している。研究代表者はセロトニンは血糖の調節に関与することを明らかにしてきた。したがって、セロトニン作動性神経に作用する抗不安薬および抗うつ薬は血糖やストレスにより誘発された高血糖にも影響を与えることが考えられた。そこで、セロトニン系抗不安薬および抗うつ薬の血糖に及ぼす影響について検討を行った。まず、セロトニン系抗不安薬であるブスピロンおよびタンドスピロンの血糖に対する影響について検討を行った結果、ブスピロンは拘束ストレスにより誘発された高血糖を抑制することを見いだした。さらに、グルコース誘発高血糖に対して、タンドスピロンやブスピロンは抑制作用を示すことを明らかにした。また、その作用機序を明らかにするために、インスリンに対する影響について検討を行った。その結果、ブスピロン、タンドスピロンはインスリンを増加させることを明らかにし、グルコースによるインスリン遊離に対しても増強作用を有することを認めた。したがって、セロトニン系抗不安薬であるタンドスピロンやブスピロンはインスリンを増加させ、ストレスやグルコースによる高血糖を抑制することが示唆された。さらに、代表的な抗うつ薬として良く知られている三環系抗うつ薬であるイミプラミンの血糖に対する影響について検討を行った結果、イミプラミンは血糖を上昇させることを明らかにした。この結果より、抗うつ薬が血糖調節に影響を及ぼす可能性が示唆され、抗うつ薬投与時には血糖値にも配慮すべきであると考えられた。
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