2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量Gタンパク質Rhoの挙動の時間的空間的解析
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13670115
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
米村 重信 理化学研究所, 細胞形態形成研究チーム, チームリーダー(研究職) (60192811)
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Keywords | 低分子量Gタンパク質 / Rho / 抗体 / 局在 / TCA固定 / 分裂溝 |
Research Abstract |
I: RhoAの局在の可視化のための、抗体と固定法との組み合わせのスクリーニング 抗体は数社から市販されているRho抗体をまず利用してみた。培養細胞を標準試料として蛍光抗体法を行い、固定法には、ホルムアルデヒド固定、メタノール固定、TCA固定を試した。その結果、複数の市販の抗体に対して、TCA固定にて最も強い染色が見られた。ホルムアルデヒド固定もかなり強い染色を示した。 II:候補となった抗体、固定法の組み合わせの再検討 確実にRhoAの分布が見られる系として、エピトープタグ付きのRhoAを発現させた培養細胞を使い、タグを認識する抗体とRhoAに対する抗体とを用いて、蛍光抗体法を行った。正しい抗体、固定法の組み合わせであれば、タグを認識する抗体による染色像とRhoAを認識する抗体による染色像がほぼ重なると考えられる。もしも、RhoAを認識するはずの抗体がタグ付きのRhoAを認識しないのであれば、その染色像は信頼できない事になる。この実験の結果、ホルムアルデヒド固定では、二つの染色像は必ずしも一致せず、一方、TCA固定では両者は常に一致した。しかし、ホルムアルデヒド固定に耐える抗体も、電子顕微鏡レベルの局在の情報のためには必要なので、新たにモノクロナル抗体をラットから作ることを試みた。その結果、ホルムアルデヒド固定でも正確に分布を示すことのできるモノクロナル抗体lulu51を得た。 III:培養細胞におけるRhoAの局在の決定 培養上皮細胞を例にあげると、RhoAは細胞同士が接する、lateral membraneに濃縮が見られ、細胞質にもある程度存在していた。これはRhoAの生化学的性質をよく反映していると思われた。また、細胞質分裂時には強く分裂溝に濃縮した。Rhoの機能を阻害すると細胞質分裂が阻害されることが知られているが、分布もまたその機能の重要性を示しているように見える。
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[Publications] Eda, M, Yonemura, S, Kato, T, Watanabe, N, Ishizaki, T, Madaule: "Rho-dependent transfer of Citron-kinase to the cleavage furrow of dividing cells"J. Cell Sci.. 114. 3273-3284 (2001)