2002 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー型GFPを用いたGPIアンカー型蛋白質遊離メカニズムの解明
Project/Area Number |
13670118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 玄 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40243258)
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Keywords | GFP / GPIアンカー型蛋白質 / 遊離 / トランスジェニックマウス / 精巣 / 生殖細胞 / 精製 / アンギオテンシン変換酵素 |
Research Abstract |
生体内でのグリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型蛋白質の代謝メカニズムを解明するため、GPIアンカーの局在を簡便に検出するべく、GPIアンカー型に変換したGFPレポーター蛋白質(EGFP-GPI)を構築した。これを培養細胞に導入すると形質膜、ゴルジ体やミクロソーム画分、また膜上でも特にlipid raftに局在することがわかり、同構造のマーカーになりうることが示された。また、マウス個体に導入すると、上皮系組織や神経系において頂端部局在を示すなどGPIアンカー型蛋白質の諸性質を満たすとともに、予想以上にGFP蛍光蛋白質が、外分泌腺や精巣において遊離していることを見い出した。以後、この現象に特に着目し、EGFP-GPIや同じくGPIアンカー型蛋白質のひとつである胎盤性アルカリフォスファターゼの遊離を指標に、マウス精巣よりGPIアンカー型蛋白質遊離因子の精製・構造解析を行った。 まず、成体マウス精巣より生殖細胞画分を調整し、1%TritonX-100存在下で細胞抽出液を作製した。これを、種々の液体クロマトグラフィーカラム(陰イオン交換カラム、疎水性相互作用カラム、ConAカラム、ゲルろ過カラム)にかけ、GPIアンカー型蛋白質遊離因子を単一精製した。質量分析計による分析の結果、この分子は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)であることが判明した。また、HeLa,F9,HEK293等の培養細胞をこの酵素で処理すると、種々のGPIアンカー型蛋白質(EGFP-GPI、CD59、DAF、プリオン蛋白質、Sca-1、Thy-1)が細胞表面より遊離することを見い出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koike, K.: "Efficient biallelic mutagenesis with Cre/loxP-mediated inter-chromosomal recombination"EMBO reports. 3. 433-437 (2002)
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[Publications] Gao, X-H.: "Rapid compensation for Glycosylphosphatidylinositol (GPI)-anchor deficient keratinocytes after birth : visualization of GPI-anchored proteins in situ"J.Invest.Dermatol.. 118. 998-1002 (2002)
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[Publications] Suzuki, Y.: "Targeted disruption of LIG-1 gene results in psoriaform epidermal hyperplasia"FEBS lett.. 521. 67-71 (2002)
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[Publications] Umeda, J.: "In vivo cooperation between Bcl-xL and the phosphoinositide 3-kinase-Akt signaling pathway for the protection of epidermal keratinocytes from apoptosis"FASEB J.. (in press).