2002 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指したTGF-βによるアポトーシス誘導機構の基礎的検討
Project/Area Number |
13670157
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
長田 啓隆 愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部, 室長 (30204176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 隆 愛知県がんセンター, 分子腫瘍学部, 部長 (50231395)
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Keywords | 肝がん / TGF-β / アポトーシス |
Research Abstract |
肝がん治療法への応用を目指し、我々が樹立した肝がん細胞のアポトーシス誘導性亜株を用いて、TGF-β刺激によるアポトーシス誘導・抑制機構の解析を進めている。昨年度までの検討により、TGF-βによるアポトーシス誘導の主たる経路は、TGF-β刺激によりTNFファミリー遺伝子群の発現誘導、TNFファミリー受容体活性化、それによるカスペース-8の切断活性化という経路で引き起こされていることが示唆された。今年度はこの知見に基づき、以下のように更に解析を進めた。 1)TNFファミリーに対する中和抗体によるアポトーシス抑制効果を検討した。中和抗体単独で部分的な抑制効果が得られた。 2)カスペース-8の活性化の関与を確認するために、カスペース-8阻害剤Z-IETD-FMKによるアポトーシス抑制作用を検討した。Z-IETD-FMK処理によりTGF-βで誘導されるアポトーシスは約50%減少した。 3)アポトーシスを抑制すると考えられるNF-κB活性を、NF-κBレポーター解析により検討した。すると、TGF-β刺激によりNF-κBの活性化が見られた。この活性化はドミナントネガティブIκBにより抑制された。 以上の解析から、TGF-β刺激によりTNFファミリー活性化からカスペース-8の活性化へ至るアポトーシス誘導経路が確認された。しかし、他の経路の関与も示唆された。又、TGF-β刺激によりアポトーシス抑制性のNF-κB活性化も同時に起こることが示唆され、NF-κBの活性とアポトーシス誘導との関連を検討している。 今後、高密度cDNAアレイを用いていTGF-βからTNFファミリー発現誘導にいたる転写制御経路を検討し、アポトーシス誘導の刺激伝達ネットワークの全容解明を目指したい。又、NF-κB活性化を操作することでアポトーシス誘導を増強できる可能性を検討したい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Osada H, et al.: "Frequent and histological type-specific inactivation of 14-3-3sigma in human lung cancers"Oncogene. 21・15. 2418-2424 (2002)
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[Publications] Osada H, Takahashi T.: "Genetic alterations of multiple tumor suppressors and oncogenes in the carcinogenesis and procession of lung cancer"Oncogene. 21・48. 7421-7434 (2002)
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[Publications] Yatabe Y, Osada H, et al.: "Decreased expression of 14-3-3sigma in neuroendocrine tumors is independent of origin and malignant potential"Oncogene. 21・54. 8310-8319 (2002)
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[Publications] Koshikawa K, Osada H, et al.: "Significant up-regulation of a novel gene, CLCP1, in a highly metastatic lung cancer subline as well as in lung cancers in vivo"Oncogene. 21・18. 2822-2828 (2002)
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[Publications] Mizuno K, Osada H, et al.: "Aberrant hypermethylation of the CHFR prophase checkpoint gene in human lung cancers"Oncogene. 21・15. 2328-2333 (2002)
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[Publications] Konishi H, et al.: "Identification of frequent G(2) checkpoint impairment and a homozygous deletion of 14-3-3epsilon at 17p13.3 in small cell lung cancers"Cancer Res.. 62・1. 271-276 (2002)