2002 Fiscal Year Annual Research Report
リステリア感染マクロファージからのTh1細胞誘導因子クローニング(アレルギーを能動的に回避する戦略の開発)
Project/Area Number |
13670219
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加納 誠 愛媛大学, 医学部, 講師 (10116923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 恒輔 愛媛大学, 医学部, 助手 (20281454)
浅野 喜博 愛媛大学, 医学部, 教授 (70114353)
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Keywords | マクロファージ / Th1細胞 / リステリア菌 / IgE産生 |
Research Abstract |
OVA特異的TCRトランスジェニックマウスDO11.10を用いて、リステリア感染を受けたマウスからのマクロファージが、CD4+Th応答にどのような役割を果たしているかを検討してきた。その結果、リステリア生菌を感染させたマウス脾臓からのマクロファージの抗原提示ではTh2タイプのサイトカイン応答が抑制され、IFN_<-γ>の産生が強められることをみいだしている。この現象は抗原非特異的に起こり、リステリア感染を受けた個体の免疫系は無関係の抗原刺激に対してもTh1タイプのサイトカイン応答を起こさせることを示している。そこで、マクロファージのどのような因子が関わっているかを調べるため、リステリア感染マクロファージに表現されるmRNAについてcDNA-RDA法を用いて、微妙な変化を増幅およびサブトラクトして解析を試みた。マクロファージ分泌蛋白ライブラリーをスクリーニングして、COS細胞にトランスフェクションし、Th1細胞を誘導する因子をアッセイ系に加えて、IFN_<-γ>の産生を指標に調べたが、どのクローンも有意なIFN_<-γ>の増強は認められなかった。そこで、細胞側因子の解析と並行してリステリア菌の責任遺伝子の解析を始めた。パスツール研究所から供与されたトランスポゾンを導入したリステリア変異株をin vitroでマクロファージに感染させ、変異によってIFN_<-γ>の産生の増強を起こすことが出来なくなったリステリア菌をスクリーニングしている。現在、2500のクローンから2次スクリーニングをおこなっている。一方、アレルギーを抑制する顕著な実験例として、リステリア感染を受けたマウスは寄生虫N. brasiliensisを感染させた場合でもlgE産生の誘導が減弱することを見い出した。このTh2サイトカイン応答を抑制するリステリア菌の遺伝子は先のTh1を増強させるものとは別の遺伝子であることがリステリア変異株のスクリーニング結果より判明しておりこれらのクローンを得ることでマクロファージ側因子の解析にも新たな進展が期待される。
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[Publications] Kanoh, M., Uetani, T., Sakan, H., Maruyama, S., Sumita, K., Asano, Y.: "Two step model of T cell subset commitment : antigen-independent commitment of T cells before encountering nominal antigen during pathogenic infections."International Immunology. 14,6. 567-575 (2002)
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[Publications] Xu, X., Sumita, K., Feng, C., Xiong, X., Shen, H., Maruyama, S., Kanoh, M., Asano, Y.: "Down regulation of IL-12p40 gene in Plasmodium berghei-infected mice."Journal of Immunology. 167,1. 235-241 (2001)