2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対するinterferon-αの抗腫瘍効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13670233
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
矢野 博久 久留米大学, 医学部, 講師 (40220206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神代 正道 久留米大学, 医学部, 教授 (90080580)
小笠原 幸子 久留米大学, 医学部, 助手 (40258405)
桃崎 征也 久留米大学, 医学部, 助手 (40279138)
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Keywords | インターフェロン-α / インターフェロン-αサブタイプ / アポトーシス / カスペース(caspase) / 増殖抑制 / 肝癌 / 細胞株 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
(1)IFN-αのサブタイプのうちα1,2,5,8,10の5種類を使用し0〜1024IU/mlの濃度で13種類の肝癌細胞を24〜96時間培養し、その増殖に及ぼす作用を検討した。その結果、サブタイプの増殖抑制作用は3つのパターンに大きく分類できた。まず、いずれのサブタイプも同等の増殖抑制作用を呈する場合(2株)、次に全てのサブタイプが増殖抑制作用を示すがα5が最も強い作用を発現する場合(6株)、最後に、α5のみが強い増殖抑制作用を呈し、他のサブタイプは、効果が乏しい場合(5株)であった。13株で平均をとると、α5は、接触24時間目から、96時間目まで他のサブタイプに比較し有意に(P<0.001以下)強い増殖抑制作用を示した。各種サブタイプで96時間培養した際の13株の生細胞数の平均は、α1、2,5,8,10の順に、79%、69%、27%、55%、66%であった。(2)IFN-αによるアポトーシス誘導メカニズムに関して、カスパーゼの関与、特にcaspase 3の関与について検討を加えた。IFN-αによりアポトーシスが誘導される6株とされない2株で蛍光キットを使用しcaspase 3活性を測定すると、アポトーシスが誘導されない2株ではcaspaseの活性化は認めないか、低レベルであった。誘導される6株では、種々のレベルで活性化を認めたが、アポトーシス抵抗性の株と同レベルしか活性化が生じない株も認められた。Caspase 3の他、caspase 9の活性化もいくつかの株で認められている。また、pancaspase inhibitorである、Z-VAD-FMKをIFN-αと伴に培地に加えると、IFN-αによるアポトーシス誘導が抑制され、IFN-αによるアポトーシス誘導がcaspaseの活性化依存性であることが判明した。(3)IFN-α製剤と抗癌剤である5-Fuと併用し細胞増殖抑制作用をMTT assay法で検討を行った。それぞれ肝癌細胞株の増殖を種々のレベルで抑制するが、現状で相加的な作用は、確認しているが、明らかな相乗的な作用までは確認が出来ておらず、現在更に検討中である。(4)IFN-αの癌細胞内シグナ伝達機構に関しては、現在検討中であるが、statなどのリン酸化と増殖抑制作用に相関性は得ていない。
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Research Products
(1 results)