2001 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージのTNF-α及びケモカイン遺伝子の発現を抑制する寄生虫因子の研究
Project/Area Number |
13670246
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / マクロファージ / TNF-α / NF-кB / MAPK / LPS / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫の排泄・分泌物質(ES)がLPSで活性化したマクロファージのTNF-α遺伝子発現を抑制する機序について検討した。gel shift assayでは、LPS刺激によるNF-кB核への移行は、ESによって抑制されていなかった。そこで、MAP kinaseのリン酸化に対するESの影響をマクロファージ細胞株RAW264.7を用いて検討した。マクロファージはp38 MAP kinaseのinhibitorであるSB203580またはextracellular signal regulated kinase(ERK)inhibitorであるPD98059の1時間の前処置によってLPS刺激によるp38 MAPKおよびERKのリン酸化の抑制が認められるとともに、TNF-αの遺伝子発現の抑制が認め与れた。次にマクロファージにESを添加しWestern blotを行うと、ESによってp38 MAPKおよびERKのリン酸化の抑制が観察された。 次に、マクロファージ細胞株RAW264.7のLPS応答性形態変化に於けるMAPKの約割およびESの影響について検討した。RAW264.7細胞にSB203580及びPD98059を添加し、1時間後にLPSを加えて24時間培養したところ、LPS応答性の細胞の形態変化はほぼ完全に阻害された。また、ES添加によってもLPS応答性の細胞の形態変化が阻害された。ESによるpreincubation時に同時にpuromycinを加えて蛋白合成を阻害しても、LPS応答性の細胞変化に対するESの阻害作用が持続した。それゆえ、ESによるマクロファージのLPS応答性の形態変化の抑制は、新たな蛋白の育成を介さずに、ERKおよびp38 MAPKのリン酸化が抑制されるためと推祭され、TNF-αの遺伝子発現抑制因子と同一の因子である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)