2003 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージのTNF-α及びケモカイン遺伝子の発現を抑制する寄生虫因子の研究
Project/Area Number |
13670246
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60111126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / マクロファージ / IP-10 / ケモカイン / NO / MHC-II |
Research Abstract |
マクロファージをLPSまたはIFN-γ刺激で刺激すると、IP-10ケモカインが発現するが、これらのIP-10の遺伝子発現をマンソン裂頭条虫擬充尾虫の排泄・分泌物質(ES)は抑制した。しかし、IRF-1の発現は抑制されなかった。IP-10はLPS刺激ではTLR4の細胞質領域が会合するMyD88非依存性経路でIFN-βの産生を介して発現するが、ESはIFN-βの発現を抑制するだけでなく、IFN-β刺激によるIP-10遺伝子の発現も抑制することがRT-PCRで認められた。そして、Western blotでLPS刺激による3時間後のSTAT1 Tyr701のリン酸化はESによって阻害された。一方、IFN-γ刺激によるSTAT1 Tyr701のリン酸化はESによって阻害されなかった。ゲルシフトアッセイでIFN-γ,IFN-β刺激によるSTAT1のDNA結合活性を検討したが抑制されておらず、IFN-β刺激によるISGF3のDNA結合活性も抑制されていなかった。また、NF-κBの核移行も抑制されなかった。そこで、IP-10のIFN-γ,LPSによる最小応答領域である-243プロモーター・エンハンサー領域を組み込んだレポーター遺伝子を作成し、luciferase assayによってESの影響を検討したところ、いずれの刺激による活性化も抑制された。これらの結果は、ESによるIP-10の遺伝子発現抑制の機序が、STAT1、NF-κBのDNA結合活性を抑制するのではなく、IP-10プロモーターの構成的な転写活性の抑制によるものである可能性が示唆された。また、ESはLPS,IFN-γ,CpG-DNAのいずれの刺激によるiNOSの遺伝子発現も抑制し,nitrite産生も抑制した。しかし,IFN-γ刺激群では,MHC-II及びCIITAの遺伝子発現がES添加によって上昇した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 福本宗嗣, 三浦憲豊, Dirgahayu Paramasari, 平井和光: "マンソン裂頭条虫によるマクロファージの抑制作用"臨床免疫. 39・2. 141-148 (2003)
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[Publications] P.Dirgahayu, S.Fukumoto, S.Tademoto, K.Hirai: "Regulation of TNF-α, IL-1β and ICAM-1 gene expression in THP-1 monocytes stimulated with Plasmodium falciparum-cultured medium by excretory/secretory products from Spirometra erinaceieuropaei plerocercoids."Yonago Acta medica. 47・1. 7-15 (2004)
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[Publications] P.Dirgahayu, S.Fukumoto, S.Tademoto, K.Kina, K.Hirai: "Excretory/secretory products from plerocercoids of Spirometra erinaceieuropaei suppress IL-1β gene expression in murine macrophages."International Journal for Parasitology. (In press). (2004)