2001 Fiscal Year Annual Research Report
国際研究ネットワークによる人体寄生裂頭条虫症に関する基礎的・疫学的・生態学的研究
Project/Area Number |
13670247
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
山根 洋右 島根医科大学, 医学部, 教授 (60032182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 桂子 島根医科大学, 医学部, 助手 (00332784)
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部, 助教授 (10108384)
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Keywords | 条虫症 / 裂頭条虫症 / 国際研究ネットワーク / 日本海裂頭条虫 / 大複殖門条虫 / マンソン幼虫移行症 / マンソン孤虫症 / 米子裂頭条虫 |
Research Abstract |
(1)人体寄生裂頭条虫症全国症例疫学調査(1882〜1999年) 日本における人体寄生裂頭条虫症症例、日本海裂頭条虫症1,733例、大複殖門条虫症267例、マンソン孤虫症422例、マンソン裂頭条虫成虫寄生例16例について、疫学的寄生虫学的解析を行い、感染動向、感染源、診断、治療、予防対策を明らかにした。 (2)国内症例収集検索調査(2000〜2001) 国内大学、病院の協力を得て日本海裂頭条虫2000年9例、2001年8例、計17例、大複殖門条虫2000年1例、2001年2例、計3例の収集、同定を行った。 (3)渡り鳥寄生状況調査 日本海裂頭条虫の感染源宿主として海鳥が疑われているため、ロシアから斐伊川に飛来してくるキンクロハジロ18羽を検索した。雌の腸管から1匹、条虫プレロセルコイドを発見したが、日本海裂頭条虫と異なる条虫種であった。 (4)外国との共同調査 韓国との共同研究により韓国で発生している人体寄生裂頭条虫症は、日本と同様、日本海裂頭条虫と大複殖門条虫であり、感染源はサクラマス、海産魚のサシミ、オードブルであった。 (5)海洋哺乳類の腸管寄生裂頭条虫調査 全国の水族館36館に回収条虫虫体の検査協力を要請し、6館から条虫虫体を得ることができた。現在、標本作製し同定中である。 (6)人体寄生裂頭条虫種同定マニュアル 第一線医師、検査技師の条虫同定を支援するため、イギリス自然誌博物館と協力し、標本写真収集を進めるとともに、国内症例の裂頭条虫類の虫卵走査電顕像による計測指標の検討を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 狩野卓夫 他: "ガストログラフィンにより完全駆虫に成功した大複殖門条虫症の1例"島根医学. 21(3). 244-248 (2001)
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[Publications] 小笹正三郎 他: "ヒトツトゲマダニ咬着症の1例"島根医学. 21(3). 249-253 (2001)
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[Publications] 高本宗男 他: "外耳道に発見された長期にわたる腫脹を来したカモシカマダニ刺症の1例"島根医学. 21(3). 259-262 (2001)
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[Publications] 村田幸治 他: "島根県大社町周辺で発生した小児日本紅斑熱の3例"小児科臨床. 54. 1652-1656 (2001)
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[Publications] 塩飽邦憲 他: "島根県における人体ダニ刺咬症の実態と対策"島根医学. 21(1). 22-27 (2001)
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[Publications] 小笹正三郎 他: "来日ブラジル人に見られるブラジル鉤虫による皮膚爬行症の1例"島根医学. 21(1). 69-72 (2001)
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[Publications] 山根洋右: "今日の治療指針, 2001年版"医学書院. 1559 (2001)