2001 Fiscal Year Annual Research Report
原虫抗原/hsp70融合蛋白を用いたマラリアワクチン防御免疫の分子機構
Project/Area Number |
13670248
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本間 季里 長崎大学, 医学部, 助手 (70307940)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜殿 平一郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (50260659)
由井 克之 長崎大学, 医学部, 教授 (90274638)
|
Keywords | 熱ショック蛋白 / 樹状細胞 / マラリアワクチン |
Research Abstract |
熱ショック蛋白70(hsp70)にサーカムスポロゾイト(CS)蛋白のCTLエピトープを結合させた融合蛋白をマウスに免疫することにより、CS特異的CTLの誘導と部分的防御免疫得られることを我々はこれまで明らかにしてきたが、本研究の目的は抗原特異的CTLの誘導機序を明らかにすることである。 本年度は以下の研究を行なった。 (1) 抗原特異的CTLの誘導機序を明らかにするためのモデルシステムを確立した。 H2-K^6拘束性に卵白アルブミンペプチドOVA257-264を認識するCD8陽性T細胞のT細胞レセプターのトランスジェニックマウス(OT-1)のリンパ節より精製したCD8陽性T細胞と、OVA237-264を結合させたマウスhsp70(hsp70-OVA)の融合蛋白をパルスした抗原提示細胞(APC)を培養する。APCがhsp70-OVAを取り込みOVA257-264の提示を行なったか否かは、OT-1由来CD8陽性T細胞からのIFN-γ産生を指標に行なった。その結果、樹状細胞はhsp70-OVAを取り込み、OVA257264をOT-1T細胞に提示出来ることが明かとなった。 (2) バキュロウイルスによるりコンビナント蛋白、hsp70-OVAの作製 (1)で用いたhsp70-OVAは大腸菌で発現させた融合蛋白であるため、僅かな大腸菌由来Lpsなどの混入により樹状細胞の抗原提示能が影響される可能性がある。そこで、大腸菌由来物質の混入を回避するため、パキュロウイルスによるりコンビナント蛋白、hsp70-OVAの作製を行なった。 (3)抗原特異的CTLの誘導機序の解析 樹状細胞をブレフェルデインA、クロロキンなどの抗原提示経路の阻害剤で前処置することにより、抗原特異的CTLの誘導機序を解析した。その結果、外来性抗原として取り込まれたhsp70-OVAの提示には樹状細胞内のTAP分子を介する経路と介さない経路が共に存在すること、エンドソームでCTLエピトープとMHCクラス1分子が会合する経路が存在することを明らかにした。
|