2001 Fiscal Year Annual Research Report
住血吸虫症における病態の重症化抑制に有用な分子の探索と機能解析
Project/Area Number |
13670259
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
朝日 博子 国立感染症研究所, 寄生動物部, 主任研究官 (90231109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 保 産業医科大学, 寄生虫学・熱帯医学, 教授 (10194888)
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Keywords | Schistosoma / thioredoxin peroxidase / ヘルパーT細胞 / 虫卵抗原 / 遺伝子クローニング / レコンビナント蛋白 |
Research Abstract |
マンソン住血吸虫感染に於いては、虫卵の沈着による虫卵周囲肉芽腫形成とそれに続いておこる組織の線維化が主要な病因となる。この肉芽腫形成は抗原特異的CD4陽性のヘルパーT細胞及びアクセサリー細胞上のMHCクラスIIに厳密に依存している。我々はこれまでに、症状の異なるマウスストレイン間ではヘルパーT細胞応答に大きな差異が認められることを報告し、ヘルパーT細胞を刺激する抗原に特に焦点をあててT細胞応答の解析をすすめてきた。本年度は主要なT細胞抗原の一つとして虫卵から新規にthioredoxin peroxidase(TPx-1)が特定された。虫卵抗原の26kDa成分に感染マウスの特異的ヘルパーT細胞に対する刺激活性を認めたことから、部分アミノ酸配列を決め、ホモロジー検索を行った。その結果マンソン住血吸虫の成虫から我々がすでに遺伝子クローニングしたTPx-1と一致した。DNA配列を基に185のアミノ酸から成るレコンビナント蛋白を作製し、ネイティブのTPx-1に対するヘルパーT細胞応答と比較検討した。両者とも感染マウスのヘルパーT細胞をよく刺激誘導したがサブセットの誘導に差異が認められた。さらにTPx-1に対する高い抗体産生が産卵の時期と一致して検出された。また本抗原は虫卵の卵殻とミラシジウムとの間に局在しており、また卵外に分泌されることが確認された。
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[Publications] Williams, D.L.: "Schcitosome infection stimulates host CD4^+ T helpet cells and B-cell responses againnst a novel egg antigen, TP"Infection and Immunity. 69・2. 1134-1141 (2001)
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[Publications] Stadecker, M.J.: "The identification and Characterization of new immuno-genic egg components : Implications for evaluation and control"Mem.Inst.Oswaldo Cruz. 96. 29-33 (2001)